ダイアー教授

女囚701号 さそりのダイアー教授のレビュー・感想・評価

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)
4.1
題:怨み節、第一章
製作:1972年、東映
監督:伊藤俊也
原作: 篠原とおる作「さそり」
主題歌:「怨み節」
CAST:梶芽衣子、夏八木勲、渡辺文雄、渡辺やよい、扇ひろこ、室田日出男、たこ八郎、

4作ある『女囚さそり』シリーズの第1作。
主人公の台詞が極めて少ない映画として有名だが、1作目の“さそり”はナレーションも含めてそこそこ喋る。
昔の映画なので今ではポリコレ抵触の差別用語もバンバン出てくる。

ちなみに同時上映は滋賀県大津市を舞台にした『まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯』で、こちらも今ならポリコレ大抵触の一作である。

本レビューでは主要登場人物の紹介をします。

1.松島ナミ(梶芽衣子)
本作の主人公。女囚701号、通称“さそり”。
1作目当時は27歳。シャバでの職業は洋裁店店員。
さそりの“毒針”と裁縫の“針”をかけているのだろう。

ちなみに『銀蝶渡り鳥』で梶芽衣子が演じる主人公も、ナミ(樋口ナミ)である。

2.杉美(夏八木勲)
ナミの“女心の怨み節”のお相手。
アバター面(ツラ)全盛期の夏八木勲さんがギラギラした悪徳刑事を好演。

3.ゆき(渡辺やよい)
ナミの妹分。本名は由起子。口がきけない。
渡辺やよいさんはシリーズ第3作目『けもの部屋』でもナミの妹分ユキ(別人)として登場。
ナミの妹分で受難・薄幸な役を担当。

4.片桐(横山リエ)
いじわる女囚のリーダー格。ナミの命を狙う。
色白で眉が薄く目が細い。眉が濃くて、目鼻立ちに迫力のあるナミの対比としてのキャスティングになっていると思われる。

5.所長(渡辺文雄)
刑務所の所長。ナミの“燃える女の怨み節”のお相手。
出世と保身に固執。人命軽視、女性蔑視の悪漢。おそらく旧帝国大学卒のエリート軍人をイメージしたと思われる。