アネモネ

王の願い ハングルの始まりのアネモネのレビュー・感想・評価

3.8
ちょっとした史実からここまで想いを巡らせてストーリーを作り込んだ監督が凄いと思いました。
大体にして文字を作るなんて現代に生きる私達には想像もつかないのに、それを歴史に当て嵌めて想像を廻らせ、尚且つ文字が出来るまでを表現して映画にしちゃう発想に驚きます。
音楽で気付く発音や、出来立ての文字を使ってやり取りする若者のワクワク感とか、
女性がパイオニアとしてフィーチャーされるところとか、とても良かったです。
あと、アジアの僧侶はサンスクリット語で言葉が通じるとかも面白かった。

平仮名・カタカナ・漢字がある日本人のキモさ然り、改めて自国の「文字」を持ち、幼い頃から学べる事の有り難さにも気付かされました。


この王は、自分の名誉とかじゃなく
民の為に
文字を作ろうとしていて、それだけで胸熱でした。
この精神、日本の政治家に見習って欲しい!
それが未来の国の為であり、儒教や仏教そして政治の混沌に苦悩しながらも成し遂げる政策、これこそ政治でしょーに!!
その上、王はちゃんと自分でも勉強していて、一見バカ息子かと思った三兄弟にもしっかり教育を受けさせていてスバラシイと思いました。

私には儒教と仏教の事はよくわからないけれど、いつの時代にも宗教問題は付き物で、
王と僧侶シミンがお互いの根本的な信念と胸の内をぶつけ合うシーンは圧巻でした。

徐々に弱っていくのに自分の志しを強く持つ姿を演じたソン・ガンホの存在感は凄かった!
殺人の追憶の嫌〜なイメージがあったパク・ヘイルの、自分の信念と夢との狭間で少しずつ変わっていく姿も良かったです。

韓国語、もっと勉強したくなりました。
アネモネ

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