great兄やん

犬王のgreat兄やんのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
4.4
【一言で言うと】
「異彩と異才の”狂騒“」

[あらすじ]
室町時代の京の都、猿楽一座に一人の子供が生まれ犬王と名付けられる。その異様な風貌を隠すように面をかぶせられた犬王は、ある日、呪いにより盲目となった琵琶法師の少年・友魚と出会う。壮絶な運命を生きてきた二人は、歌と舞を披露し合うことで、互いに名乗らずともたちまち意気投合する。過酷な世を生き抜くため、相棒となった二人は互いの才能を刺激し合い、唯一無二の表現者として一時代を築いていく...。

『マイスモールランド』のハシゴにて鑑賞。

終始スッゲェ(゚o゚;;…ってなるけど演出や描写が全部“勢い”だけで乗り切ってる所に少々違和感を感じてしまった...なんか悔しい笑
まぁ監督が湯浅政明、キャラクター原案が松本大洋、脚本に野木亜紀子、そして犬王の声優に女王蜂のアヴちゃんという最強すぎる布陣に観る前から興奮状態でしたけどね(^◇^;)...ただやっぱりクセ強めの世界観に没入し辛くとも劇中を彩る音楽が本当に凄まじすぎた。いやマジで。

とにかくなんと言ってもアヴちゃんの歌声が正真正銘唯一無二過ぎてマジでヤバかった!!もうずっと鳥肌!!!😆😆😆
まず犬王の声優としてアヴちゃんをキャスティングした人を褒め称えたいくらいですし、見るからにアクの強そうなキャラとアヴちゃんの“唯一無二さ”が絶妙にマッチしていて、もはや“当て書き”レベルのマッチング具合。

歌声を発した瞬間問答無用に鳥肌が襲ってくるあの抜群な表現力...あのTHE FIRST TAKEでもそうでしたが、“表現力”というのがホントにバケモンなんですわ😅...

それに室町時代の能楽や舞の文化にQUEENのようなロックオペラを融合するといった設定も非常に新鮮かつ斬新で、実際QUEENの楽曲を彷彿とさせるような演出やパフォーマンスなどに観ていてテンションブチ上がりですし、特に「鯨」の演目が個人的には一番好き!本当に声出そうかと思ったくらいですから笑

とにかく異才の生み出す世界観に鬼才が描き出すキャラクター、そして天才の紡ぎ出す物語に奇才が奏で出す歌声と、ありとあらゆる“才”の化学反応が傑出したとんでもない一本でした!!

華やかな栄光の裏に潜む室町時代の容赦なき“エグみ”も切れ味抜群の良さを感じましたし、万人を突き放すクセの強さが少々キツくもあるが、やはり“室町ロックオペラ”という新たなジャンルを開拓した湯浅監督の異才っぷりには頭が上がりませんよ😌...

万人ウケとはいかないが、観ると確実に“刺さる”映画であるのは間違いなし!!😤
アヴちゃんの歌声を聴くだけでも一見の価値はありますよ〜!!!