バスの車内アナウンスから流れるルースの声。すべての乗客に向けられたその声に、あえて耳を傾ける者はいない。精神科医のアドバイスに従って人と繋がろうと努力するも失敗ばかりのルースだったが、そんな彼女がある一瞬、人気者になる不思議な出来事が起こる。
声を失ったオペラ歌手ローラが出会ったのは、聾唖のコメディアンだった。手話で自分を表現するロレンツォの姿が、やがてローラに変化をもたらす。
人は生きているとさまざまな出来事に見舞われるもの。けれど、行く先を見失って真っ暗闇になった時、道を示してくれる人がいた。予期せぬ荒波に飲み込まれても、助けてくれる人がいた。そんな優しさや愛…
>>続きを読む老いた二人の男女が、通りを挟んで向かい側に住んでいる。二人は時折窓ごしに目が合うが、一度も会って話をしたことはない。そんな二人の関係に、ある日変化が訪れる。