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サヨナラまでの30分のtetsuのレビュー・感想・評価

サヨナラまでの30分(2020年製作の映画)
4.8
ネットで評判を聞いたため、駆けこみ鑑賞したものを、今さら投稿。笑

偶然、拾ったカセットテープを再生したことで、死んだバンドマン・アキに憑依されることになった大学生・颯太。
30分間という制限の中で、何度も憑依を始めたアキは、自分が原因で解散してしまったバンドの仲間たちに会いに行くが...。

いや、良すぎる...。
序盤、まさかの就活展開が差し挟まれて、かなり背筋が伸びましたが(←実は就活生)、
「爽やかさ」、「音楽」、「死」
この3点要素が、自分の好みド直球すぎて、ラストシーンで感情のダム崩壊でしたよ...。いや、これはダメだ。笑

恋する男女の大切な日々を数分に凝縮した凄まじいアバンタイトル、
ポン・ジュノ(『パラサイト』監督)に匹敵する気持ちの良いカット繋ぎ、
闇夜での美しいピアノ連弾、
ステージから見る景色と、観客席から見える景色を対比した見事なクライマックス。
もう、全ての映像が最高すぎる。



ここから、多少、ネタバレの危険性あり。


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さらに、近年の素晴らしかった青春映画『小さな恋のうた』や、『君は月夜に光り輝く』同様、「大切な人の人生を引き継ぎ、生きる」というメッセージ。
それを映像で絶妙に表現したラストシーンには分かっていても、涙が止まらなかったです。


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また、余談ではありますが、本作を鑑賞する数日前、初めてアーティストの単独LIVE(Perfume)に参加していたため、クライマックスでは、その時の空気感と全身で感じた感動を追体験しているような感覚になりました。

というわけで、
近年の青春映画の中では、ベストに匹敵するほど素晴らしかった本作。

このようなティーン向けの映画を観に行くと、純粋な気持ちで映画を受け取っている中高生のリアクションを感じることが出来るので、自分よりも誠実に映画と向き合っている彼らの姿を感じることが出来たのも、個人的には良かったですし、改めて、色んな人と一緒に映画を観る体験の素晴らしさを感じました。

早く、落ち着いて、映画館で映画を観る日々が帰ってきてほしいですね...。

参考
SAVE OUR LOCAL CINEMAS
https://localcinema.base.shop/
(僕の大好きな映画館の多くが、今、かなり危機に瀕しているので、もし良ければ、協力していただけると幸いです。)
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