天

ワンダフル・フライトの天のネタバレレビュー・内容・結末

ワンダフル・フライト(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレボタン押してますが、15分ほどしかない短編ですので、出来れば先に作品をご覧になってからレビューをお読み頂いた方が楽しめるかと思います。
予告編はこちら👇
https://vimeo.com/140396715

ブリリアショートショートシアターオンラインで2020.6.24〜9.23まで視聴できます。
https://sst-online.jp/theater/7817/

























ーーーーーー以下レビューですーーーーーー

「これは実話に基づいた物語である」
「1996年、1機のアメリカの軍用機がモンゴルのウランバートルへ着陸した。」
という字幕が出た時点で何となく胸がザワザワ。

お母さんと息子達が3人。長男12〜3歳、次男8〜9歳、三男2〜3歳といったところ。
真ん中の次男坊が馬頭琴を練習しています。馬頭琴と言えば子供達が小学生の頃「スーホの白い馬」という話を国語で習っていました。嫌というほど音読聞かされました、懐かしい。
壁にメダル🏅や演奏の記念写真のようなものがあるので次男坊には才能があることが分かります。
急に音が聞こえにくくなったのでパソコンの音量上げたんですが、これは「次男坊の耳が突然聞こえなくなった」ことの演出でした。
慌てて病院へ連れて行くものの、「もう馬頭琴は弾けない。人工内耳の手術はアメリカのような先進国でしか受けられない。」という、実質モンゴルでは治療不可能の宣告を受けます。
お医者さんが太った中井貴一に似てました( ; ´∀`)あとおでこにCD💿着けてますw

そんな不憫な弟の為に「兄ちゃんが治してやるからな!」と長男坊が友人達と共に奮起します。
次男坊に鍋をガンガン叩いたり、シンバル鳴らしたり、車のクラクション鳴らしたりと大きな音を聞かせてショック療法のようなことをしますが当然効きません。絶望して大切な馬頭琴を川に流してしまう次男坊。多分トール川でしょう、この川は最終的にバイカル湖を通って北極海へと流れているそうです。白く凍った水面に浮かぶ赤い馬頭琴の画が浮かびました。

そんなある日、テレビで「コマンドー」の「シュワちゃんが飛行機の車輪に乗る」というアクションシーンを観て「せや!密航したらええねん!」と閃く兄ちゃん達(アカン)

友人達の協力のもと、兄弟は見事警備の目を掻い潜り軍用機に潜り込むことに成功。
一方その頃、お母さんには病院から連絡があり次男坊の耳が治ることを知らされます。

飛行機に大きく手を振って達成感と共に見送る友人達。
これでアメリカに行ける!耳も治る!とばかりに肩寄せ合って笑い合う兄弟。
青空を見上げて微笑むお母さん。

からの、
「"ウランバートル発沖縄着の軍用機の着陸装置(車輪格納庫)から兄弟2人が発見されたが、間もなく低体温症で死亡した"という事件を基にしている。2人が"ワンダフルフライト"へ飛び立った理由は誰にも分からない」
と字幕が出た時の落差。
久々に心を抉られましたorz

基になった事件の記事が無いか検索したらUPI通信のアーカイブにありました。
以下に自動翻訳したものをそのまま転載します。
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1996.8.4
密航少年が米軍機で死亡
米軍報道官によると、8月4日、東京発-モンゴルから日本に飛んでいる空軍機の操舵室に隠れていた2人の少年の2人目が死亡した。「8歳から10歳の子供は、凍傷、低体温症、低酸素症に悩まされていました。」

もう1人の12歳の少年は、金曜日の夕方、沖縄の嘉手納基地で飛行後の検査中に彼と彼の友人が発見された直後に死亡したと宣言されました。少年たちは明らかに、モンゴルに毛布と衣類を届けていた米空軍機の吹き抜けに潜入し、日本への帰りの飛行中に極度の寒さと酸素不足のために死亡したと述べた。ウランバートルは自身の安全を担当する商業空港であるが、米国のチームが事件を調査しているとスポークスマンは言った。広報担当者によると、飛行機は5時間の飛行で11,000メートル(37,000フィート)の高さで飛行した。
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37,000フィートは約11.2km。気温は−60℃前後。気圧は地上の1/4程度しかなく、すぐに酸欠・低体温症に陥ってしまいます。
それを理解するには少年達は幼過ぎました。せめて長くは苦しまず亡くなったと思いたいです。
天