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ルパン三世 THE FIRSTののんのレビュー・感想・評価

ルパン三世 THE FIRST(2019年製作の映画)
3.7


モンキーパンチ原作の『ルパン三世』シリーズは、基本的な設定さえ押さえておけば、あとは何でもオッケーという制約の少なさがクリエイターにとって魅力的な作品で、宮崎駿の『カリオストロの城』はじめ、多くの作品が生み出された。


テレビスペシャルではなく久しぶりの単独映画にして初の3DCGアニメ『ルパン三世 THE FIRST』は、シンプルな展開にこれまでのシリーズへのオマージュをちりばめた安定感ある作品に仕上がっている。


脚本も兼任した山崎貴監督は、ラスト十数分で観客を地獄に突き落とした『ドラゴン ユアストーリー 』とは打って変わり、大番狂わせのない物語展開に終始している。


分かり易すぎる伏線や、寸分の狂いのない予定調和のストーリーは、観る人によっては退屈に映るかもしれないが、ルパン三世というコンテンツを考えると逆にシンプルすぎるくらいでちょうどいいのかもしれない。


後半のド派手なエフェクトとビジュアルは、特撮を愛する監督の抑えきれない欲望がダダ漏れでなんだかほっこりしてしまった。


大野雄二の音楽は言うまでもなく素晴らしいし、「昭和一桁」などファンがにやりとする台詞も盛り込まれていて、ファンが望む要素を全てが取り入れたまさにベストアルバム的な映画。
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