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ルパン三世 THE FIRSTのtetsuのレビュー・感想・評価

ルパン三世 THE FIRST(2019年製作の映画)
4.1
今夏、山崎監督はしごをした友達と再び鑑賞。(これにて、今年の山崎作品、二人ともコンプリート。笑)

伝説の大泥棒・ルパン一味が今回挑むのは、アルセーヌ・ルパンでさえ獲得に失敗したという謎のお宝・ブレッソンダイアリー。しかし、そんな彼らのもとに考古学少女・レティシアや、謎の組織が現れて...。

鑑賞前に、「今回は『YOUR STORY(笑)がない』」ということを聞いていたので、安心して鑑賞できましたね。笑

正直、ルパン三世に関しては、そこまで思い入れが深いわけではないので、ファンの方がどんな意見を持ったのかは気になるところですが、個人的には大満足でした!

役者・広瀬すずを推してる僕としては、ルパンmeets広瀬すずという時点で、かなり楽しめましたし、なんといっても普通にストーリーが良い。

親と子を巡る隠された真実の下りに関しては普通にホロッときましたし、ちょこちょこ見せるルパンの格好よさが割とバチバチと決まっていくので、『...カリオストロの城』以外、ほぼ未見の僕からすると、その度にテンションがあがりました!

また、本作のなかでも、ストーリー以外の点で、3回ぐらい、このシーンのためだけに鑑賞料金払ってもいいなぁ~というシーン*があったので、それだけで、僕はもうお腹一杯でした。
*ネタバレになるので、追記します。

ところで、山崎監督って、なんやかんや批判はされますが、僕はとても偉大だなぁ~と思う部分がありまして、それは日本の人気コンテンツを映画化する際、その形がどうであれ、しっかり、「そのコンテンツが何か?」という哲学に向き合っているところ。
海外では『レゴ(R)ムービー』や『スパイダーマン:スパイダーバース』で脚本家のフィルロードさんがそれらに向き合っている印象を受けますが、これまでドラえもんやドラクエというコンテンツに挑んだ山崎監督は、日本でも珍しい逸材なのではないでしょうか。
今作でも「ルパン三世」を「アルセーヌ・ルパンの孫」であることや、「ワクワクドキドキの娯楽作」として再定義した点は、ある種の「ルパン三世」哲学と言えるような気がしました...。

というわけで、
期待度が高くないながらも、予想を遥かに超える娯楽作だった本作。
『ドラクエ』の時点から、ワクワクドキドキの冒険物語を描写することには長けている印象だった監督が、ついに本領を発揮した3DCGエンターテイメントでした!



この下はネタバレ。


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個人的なお気に入りシーン

①船上のルパンとレティシア
物語も中盤に差し掛かり、レティシアの正体に気づいたルパンが彼女に語りかけるシーン。
驚きの事実に嬉し涙を流すレティシアとルパン、そんな二人を見つめるお馴染みの一行という画作りが本当に美しく、何だかよく分からない涙が出てきそうになりました。特に夕日のVFXが素晴らしくて、さすが『always』の山崎監督作品だなぁと思いました。

②トラップ通り抜けシーン
秘宝が眠る古代遺跡にやってきた一行。
そこで祖父・アルセーヌでさえ、攻略できなかったトラップに挑戦することになったルパンのアクションシーン。
もう設定だけで、かなり激アツなんですが、トラップをみるみる通り抜け、最後にちゃっかりと決めちゃうルパンに痺れました。カッコよすぎて、心のなかで「ルパ~~~ン!」(銭形警部風)と叫んでいましたね...。笑

③エンドクレジット前の文字
まぁ、でも、これは反則ですよね...。
この演出って、昨今のマーベル映画とかでもよくやられていたんですけど、比較的満足度が高かった作品のラストに、ああいうのが画面に出たら、泣きはしなくとも心に刺さるのは間違いないんですよね...。

2024 5/1 追記
#シリーズ:ルパン三世 を追加致しました!
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