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十字架のmingoのレビュー・感想・評価

十字架(2018年製作の映画)
3.7
ワンビンの最高賞に次ぐ山形市長賞受賞作。1973年ピノチェトによるクーデター直後のチリで闇に葬られた製紙会社社員の大量殺人を証言と裁判資料とロケーションから静かに紐解き、事件を告発する作品。Q&Aではもっと作品に怒りを込めるべきなのではと質問者からあったが、遺族から怒りより痛みを感じたという監督二人が抑制した演出を選択。ちなみに授賞式で評価軸としては新しいドキュメンタリーの可能性云々言われていたが、表現方法が評価された模様。面白いか面白くないかと言われたら後者だが、ドキュメントという観点から作品として評価されるべき一本なことは間違いない。ラストの十字架は静かにそこにあって、過去は消えないことを痛烈に物語っている。
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