ぐっさん

Mank/マンクのぐっさんのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
4.0
NETFLIXオリジナル映画
2020年最後のレビューとさせていただきます。

 ゲイリー・オールドマン主演で、「セブン」でおなじみデヴィッド・フィンチャー監督最新作。

 アルコール依存症の脚本家ノーマン・J・マンキウィッツ(愛称は「マンク」)が名作「市民ケーン」の仕上げを急いでいた頃の1930年代のハリウッドを機知と風刺に富んだ彼の視点から描かれる物語。

 いやぁ~驚きましたよ。さすが攻めのNETFLIX作品。
 現在は、CGを使っての現在・そして未来を描かれている映画作品は多いですが、この作品は今のCG技術を使って1930年代当時のモノクロ映像とリアルな当時の風景演出・音楽を忠実に再現しているところは驚きましたねぇ。
 私は、家で映画を観るときはヘッドフォンをつけるのですが音の質感までもが1930年代でうあぁ~すげぇ~と思ったし、中でも一番驚いたのはデジタルではなくフィルム映写での映画館時代を知っている人はご存じだと思いますが、一部のシーンの右上に黒い点(当時の作品によっては白い点)が一瞬出て2回目の表示の時にフィルムが切り替わっているというあるあるがありましたが、この作品でもデジタルなのにこれを忠実に再現されているところはすげぇ~監督マニアックぅ~と思っちゃいました。

 マンク役のゲイリー・オールドマンもピッタリな役でしたねぇアルコール依存症の破天荒なおじさんが破天荒な時代に振り回された時代をケガをして療養中(なぜかは本編でご確認を(ドライブ中はよそ見しちゃダメよ。))の現在と間で出る過去をタイプライター入力中のように「回想」という文字も含めながらわかりやすく進んでいく展開も良かったですねぇ。酒好きって知ってるけど飲ませねぇよっと言わんばかりのシーンや無理難題を受けることもある中、私はクライマックスのシーンは好きでしたねえぇ。言いたいことを言って最後にドーンとやって、その後のえ~と思っちゃった展開。主人公の人柄は結局はこうだと言えるシーンにご注目していただきたい。

 でも、この作品はストーリーの内容よりは演出や当時の映像の再現度のほうがすごすぎて2回目の鑑賞でやっとこの作品の全体のすごさがわかってくると私は思いました。
 韓国映画「パラサイト」のモノクロバージョンでもわかったんですが、カラーとは違ってモノクロは重厚感があってレトロだし各キャラの表現に集中出来て、これもありだなとも感じました。

 オープニングから再現度ハンパねぇってって言えるほどの素晴らしい作品、ぜひ体感していただきたいです。



 さて、2020年の映画業界は大作映画の延期や配信へ移動など経験したことのない大変な年でございました。
 でも、暗いムードの中「鬼滅の刃」の興行収入日本新記録など明るいニュースもありまだまだ映画業界も捨てたもんじゃないぞ!映画館だって元気なんだぞっ!と改めて実感させられた年でもあります。

 2021年はまさに「倍返しだっ!!」と言わんばかりに映画作品を映画館そして配信どちらも盛り上がるいや、どんちゃん騒ぎになれるような年になっていただきたい。
 我々観る側も盛り上げていける2021年にしていきたいですな!!
ぐっさん

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