リコリス

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのリコリスのレビュー・感想・評価

4.0
ボーズマンの死の追悼は勿論、哀しいストーリー。ブラックパンサーの喪失と復活以外は、何も前に進まない。資源を争う大国間で、小国が翻弄され、地域紛争となる。大国は一切、痛みを負わない。

「エターナルズ」は作家性で見せたが、マーベルで話の造りとメッセージ、芸術性が一番なのは「ブラックパンサー」では? だから、ちょっとポリコレやBlackLiveMatterやMeTooが出過ぎ…と合わない人もいるかも。

でも女性達が輝く姿を見るのは気分揚がるし、一番知性から通そうな(笑)脳筋エンバク様が一番大事なことを言う。

戦争は互いに寛大な許しを持たなければ終わらない。ネイモアも一番大事なブレスレットをシュリに贈り、自らの幸せな民の住む王国を見せた。それに感嘆するシュリは、相手を理解したはず…。

アフリカ調リズムあふれる音楽、みなの話す多様な言葉、装飾品が効いた色彩豊かな衣装、今回はそこに古代メキシコ・マヤ文明的な味わいと海洋文明も加わる。それだけでも映画館で見る価値あり。

しかし、マーベルに日本文化が出て来ないのは淋しいな。
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