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海辺の映画館―キネマの玉手箱のkazu1961のレビュー・感想・評価

4.4
▪️Title : 「海辺の映画館 キネマの玉手箱」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:2019
▪️JP Release Date :2020/07/31
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-492
🕰Running Time:179分
▪️My Review
🎉レビュー2000本目、2013年6月からFilmarks に参加させて頂き、なんとかここまで来ました!!年間約280本、月間約24本のペースです。初めは一言コメントから始まったのが、今はそれぞれの作品の背景を調べたり、勉強してからレビューをまとめるのが病みつきになっています(笑)。今更ながら映画大好きなのを実感しています。これからもよろしくお願いします!

そんな記念のレビュー2000本目が、大林信彦監督の遺作『海辺の映画館 キネマの玉手箱』になるのが感慨深いです。
始まった瞬間から凄い!と鳥肌が立ち、それが3時間続く映画体験は強烈でした。何を観せられたんだろう。。。大林監督の頭の中全部?、大林監督の見た夢?そう、それは大林監督の今までのフィルモグラフィーが全部入っている作品。キャストもそうだし、物語と時代性にどうアプローチするかと、スクリーンを観ている人にどうアプローチするのか、という情念込め方の集大成になっています。ほんと凄いですよね。
余命を宣告された監督が撮ったと信じられない、この凄まじいパワーとメッセージ性は心に突き刺さってきます。やはり、彼こそがキネマの玉手箱。青春映画から反戦映画まで何が飛び出すかわかりません。大林監督の創作の執念と戦争への怒りの凄絶さにただ呆然と鑑賞するしかない、そんな作品でした。
大林監督ならではの、自由で大胆な映像構成、リフレインと挿入の魔術師といった輝きもやはり健在でした。

本作、大林宣彦監督が、20年振りに「尾道」へ還って撮影した作品で、尾道にある海辺の映画館を舞台にした遺作は、まさに「キネマの玉手箱」です。物語は、戦争の歴史を辿りながら、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルと様々な映画表現で展開し、戦争への怒りをメッセージとして伝えています。メインキャストとして、銀幕の世界へタイムリープする3人の若い男性を、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦が演じ、3人の男たちそれぞれの運命のヒロインを本作が映画初出演となる吉田玲、大林組初参加の成海璃子、前作に続く出演となる山崎紘菜が演じています。また、本作の物語の核となる移動劇団「桜隊」の看板女優を、近年の大林作品を支える常盤貴子が演じています。生のエネルギーにあふれた、“平和への想い”そして“人と愛”をクローズアップした作品です。
さらに、豪華出演者のコラボレーションにも注目です。メインキャストのほか、小林稔侍、高橋幸宏、白石加代子、尾美としのり、武田鉄矢、南原清隆、片岡鶴太郎、柄本時生、村田雄浩、稲垣吾郎、蛭子能収、浅野忠信、伊藤歩、品川徹、入江若葉、渡辺裕之、手塚眞、犬童一心、根岸季衣、中江有里、笹野高史、本郷壮二郎、川上麻衣子、満島真之介、大森嘉之、渡辺えり、窪塚俊介、長塚圭史、寺島咲、犬塚弘など、大林組常連から、初出演のキャストまで、大林監督の“映画への情熱“と“平和への想い”を受け止め、さまざまな分野からキャストとして参加しています。

個人的には、武田鉄矢が生涯師とする坂本龍馬を演じているのは感無量でした(1986年に武田鉄矢が坂本龍馬を演じた『幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬 』という作品が大好きなので)。そしてラストに謎のピアニストとして大林監督自らが出演してるのには自然と涙が溢れました。。。

映画は未来を変えられる!!そんなメッセージを
大林宣彦監督が新しい世代へ託した集大成の作品です!!
大林監督、多くの素晴らしい作品をありがとうございました!!

▪️Overview
名匠・大林宣彦監督が20年ぶりに故郷・尾道で撮影し、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルと様々な映画表現で戦争の歴史をたどったドラマ。尾道の海辺にある映画館「瀬戸内キネマ」が閉館を迎えた。最終日のオールナイト興行「日本の戦争映画大特集」を見ていた3人の若者は、突如として劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界にタイムリープする。戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島にたどり着いた彼らは、そこで出会った移動劇団「桜隊」の人々を救うため、運命を変えるべく奔走するが……。主人公の3人の若者役に「転校生 さよならあなた」の厚木拓郎、「GO」の細山田隆人、「武蔵 むさし」の細田善彦。2019年の東京国際映画祭で上映されたが、劇場公開を前に大林監督は20年4月10日に他界。本作が遺作となった。(引用:映画. com)
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