たま

ハリエットのたまのレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
3.0
“自由か死か”

日本人には馴染みが薄い“ハリエット”という人物だけど、アフリカ系アメリカ人で初めて紙幣の肖像に採用されたという。アメリカではかなりの偉人であり英雄だ。

なんておぞましい奴隷制度。
まるで狂気の沙汰だ。

ハリエットは自由を求め、メリーランドから命懸けで川を渡り、州を超え、やっとの思いで奴隷制度の無くなった安全な場所、ペンシルベニアにたどり着く。

それにもかかわらず、何度も何度も危険を冒して、家族や仲間を救いにメリーランドに舞い戻る。

その勇敢さ逞しさは、想像をはるかに超える。
捕まればどんな目に遭わされるのかと、想像するだけで背筋が凍る。

南北戦争では、アメリカ史上初の女性指揮官として兵を率い、その後も人権運動家として活動したという。

虐待によって脳に障害を受け、時折意識を無くし、神の啓示だと思わせるシーンがある。映画的な演出かと思えば、実際にあったことのよう。彼女をより神格化させたエピソードだ。

黒人奴隷にとっては、まるで生き地獄のようなこの時代を、古き良きアメリカだと思う白人が、今でもいるかと思うと、ほんと胸糞が悪くなる。
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