塚原直彦

シン・ウルトラマンの塚原直彦のレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.9
お待ちかね、来たぞ我らの庵野秀明版ウルトラマン。
来年公開「シン・仮面ライダー」と撮影が被った為に少し距離は置きつつの共同製作…との事だったが、エンドロールを見る限りやはり何だかんだで庵野ワールド全開に。

冒頭から彼のウルトラ愛溢れる展開の釣瓶打ちだが、ゴジラを一度自由に解体→大幅に再構築したシン・ゴジラとは違い、本作は過剰なまでのラブコールゆえファンが創ったファン向けの現代版リメイク+総集編感は大。(勿論続編もリメイクも基本はファンの為にあるとは思うが)
その自ら課した呪縛のせいでやや不自由さすら感じるが、決して一見さんを遠ざける作りでないのは巧い。

あの未曾有の事態で禍特対の緊張感のなさや後半の失速感、CGクオリティのムラなど気になる点もあるがこの規模の映画にしては破格の低予算で大健闘。
間違いなく100人いれば101通り想いがあるウルトラコンテンツに挑んだエンターテイメント界の銀色の巨人達に拍手。
噂では三部作構想らしいので、庵野さん(勿論樋口監督も)に余力があれば是非とも期待。
ウルトラマンがさ~、と令和の時代に語り合えるだけで我が国はウルトラ平和なのである。
塚原直彦

塚原直彦