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1917 命をかけた伝令のlololoのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

これはえらいモンを見てしまった…。あの、延々と回り続けるカメラの視点にハラハラし、手に汗握る2時間弱を過ごした。一緒になって息を潜め、身を屈めたくなる。(なんとなく、「ギルティ」見た時の緊張感に似ていた。あちらは電話から聞こえる音だけが頼りで、今回とは全く状況が違うけど)
そして、カメラが先に景色を見せるからこそ活きる描写、逆もまた然りで、とても迫力と緊張感があった。すごい。

お話としては、「伝令を別の部隊に届けるために走る」というシンプルなものなのだけど、その中に色んなことが起こり、起こり、起こり…。
主役の二人(と言わせてほしい)についても、他の人たちについても、特に詳しい説明はない。それなのに、言葉やしぐさの端々に人間味や人間味のなさが滲み出ている。不思議で仕方がない。まるで一緒に走ってるようなのに、ほんとにこの任務が終わる時が来るの?なんて心が折れそうになる。

それでも、最初の場面と同じような穏やかな原っぱに座り込む彼の姿を見て、ほんの少し安堵した。彼にも、帰りを待つ家族がいたんだなと。
けれど、もう起こしてくれる友人はいない…。なんて戦争って悲しく辛くばかばかしいのか、こんなことで死んでたまるかと、穏やかな春の原っぱを眺めながら、私も多分、彼と同じように思った。
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