たけちゃん

1917 命をかけた伝令のたけちゃんのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.6
🎊㊗1000レビュー\(^o^)/


サム・メンデス監督 2019年製作
主演ジョージ・マッケイ


いつも仲良くしてくださっているみなさん、本当にありがとうございます😊
今日でキリ番の1000レビューとなりました。
キリ番レビューは劇場鑑賞作と決めていますので、今回も当然劇場へ( •̀ω•́ )و✧

でも、レビュー映画は少し迷っていました。
タイミングの問題もあり、今回はアカデミー賞関連作をレビューしようとは決めていたんです。
作品賞ノミネート9作品のうち鑑賞済は
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
「ジョーカー」
「フォードVSフェラーリ」
「ジョジョ・ラビット」
「パラサイト 半地下の家族」
「1917 命をかけた伝令」
の6作品
「アイリッシュマン」
「マリッジ・ストーリー」はネトフリ作品
「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」は未鑑賞ですが、まだ公開前なので除外ですよね。
「ワンハリ」「ジョーカー」「フォードVSフェラーリ」「ジョジョラビ」はレビュー済ですので、今回は「パラサイト」か「1917」のどちらかにしようと思っていました。だから、どちらも今週観たんですよね~。で、良かった方をレビューしようと。

結果はお分りと思います( ¯−¯ )フッ
元々、僕は韓国映画と相性が悪く、あの大ヒット作「新感染」ですらダメでした。だから、かなり観るのが怖かったんですよ。
しかも、僕はアカデミー賞受賞作とも相性が悪い(笑)
なら、最初から関連作を選ぶな!という話ですが……
でも、ひょっとすると、昨年の「グリーン・ブック」のような当たりもあるかもしれないからと、いそいそ出かけました。結果は……ダメでした(> <。)。そのレビューは後日。

と言うことで、記念レビューは「1917」です!


それにしましても、こんな僕のフォロワーさんが2000を超えていることに驚きます。
みなさん、ほんとお優しい( ˘ ˘ )ウンウン
ただ、フォロー数が増えるとタイムラインもなかなか追えなくなり、読めないレビューも多くなりました……。ほんと、ゴメンなさい。こんな私でよければ、これからもよろしくお願いします(^-^)







さて、映画です。
これは痺れました。
戦争映画の新たな傑作が生まれましたね!
"全編ワンカット撮影"というコピーが先行してしまって、作品の正しい評価を損ねている印象がありますが、語弊を恐れずに言えば、今作は本当に素晴らしかったです。
"第一次世界大戦"を描いた作品は決して多くはないので、その意味でも僕の衝撃は大きかったですよ。


【第一次世界大戦とは】
1914年の6月28日にオーストリア・ハンガリーの皇太子が暗殺されたいわゆるサラエボ事件を発端に、オーストリア=ハンガリーがセルビア公国に最後通牒を突きつけ、ついに1914年7月28日、宣戦布告し開戦。そこにロシアが絡んでくるとドイツはロシアに最後通牒を突きつけ、断られたために宣戦布告。数で劣勢のロシアは同盟関係のフランスに進軍を要請。それに対し、ドイツはフランスへも宣戦を布告と、どんどん戦火は拡大していくのです。最後はイギリスや日本までもが参戦し、世界規模の大戦となりました。
東部戦線は、1917年に"ロシア革命"が起こったこともありロシアが大戦から離脱、収束したものの、西部戦線は塹壕戦の膠着もあり泥沼化。最終的に1000万人近くが亡くなり、多くの犠牲を出した戦争でした。
1918年11月11日に終戦を迎え、ドイツ帝国も革命により崩壊しました。

第一次世界大戦の中でも、特に、1916年に起こった"ソンムの戦い"は4ヶ月あまりも続き、両軍合わせて100万人もの死者を出した悲惨なものでした。イギリス軍が戦車を実戦投入したことでも知られます。この戦いに参加して生き残ったのが、今作の主人公スコフィールドなんですよね。背景として抑えておきたいです。




今作の監督はサム・メンデス。
こだわりのある美しい絵面に定評がありますよね。
でも、過去作はあまり観てないんですよ。
だから、僕はやはり"007シリーズ"の監督として見ちゃうなぁ。そのあたりについては、後日クレイグボンド祭りで書きます(ˆωˆ )フフフ…

今作はサム・メンデスの祖父から聞いたという話がモチーフのオリジナル作品。ある種、実話に基づく感じもあり、実にリアルでした。
そのリアルさを演出する真骨頂が"全編ワンカット撮影"ですよね。しかし、長回しではありますが、もちろんワンカットではありません。


ストーリーとしては、ドイツ軍の罠である後方への撤退に乗り攻撃を仕掛けようとする連合軍の作戦を中止させるべく、前線へ向けて伝令が走る!というものです。

今から100年前の戦争ですから、近代化されたとはいえ、今から見れば、まだまだ旧式です。特に、情報の伝達手段といえば、兵士による直接の伝令が主でした。しかし、当然、前線へと向かうわけですので伝令とはいえ命がけです。
しかも今回は作戦決行まで時間が無く、普通なら6時間程の行程ながら敵との遭遇を避けながらの後戻り出来ない伝令は命を捨てに行くようなものでした。

その6時間あまりの行程を2時間の映画に落とし込んだのが今作です。
その臨場感を観客である我々に体験させようとした手段がワンカット"風"撮影だったわけです。
でも、よく考えると、これってめちゃくちゃ大変ですよね。

基本、カメラは伝令の兵士を追うのですが、ただ、後ろ姿を追っても映画にはなりませんよね。また、主人公のカメラ目線でハンディ風に進めても酔うばかりですし、絵もつまりません。
観客も戦場に置かれたような臨場感と緊張感を保つ演出とカメラワークが肝なんです。

そこで出てくるのが、撮影監督のロジャー・ディーキンスの手腕です。これまでに13度もアカデミー賞撮影賞にノミネートされ「ブレードランナー2049」でついに受賞。今回、今作で2度目の受賞となりました。それほどに今作の撮影は素晴らしかったです。
全編屋外での撮影のため、照明も使えず、ほとんど全てが自然光で撮られたといい、そのため、全て同じ天候での撮影を余儀なくされました。だから、晴れ間が続くと、ひたすらリハーサルをしたそうです。
さらに、ワンカット風にしたため、役者のみならずカメラスタッフも失敗が許されない状況で、当然、見切れないように必死に移動することになります。
とんでもない労力の中、完成したのが今作です。
公式サイトには短いメイキング映像もありますが、これはソフト化された時にはじっくりメイキング映像を観たいと思いました( ˘ ˘ )ウンウン




その伝令のウィリアム・スコフィールドを演じたのがジョージ・マッケイ。全編、ほぼほぼ彼のみが映ります。
兄が前線に出ているというブレイク役がディーン・チャールズ・チャップマン。「ゲーム・オブ・スローンズ」のトメン・バラシオン役が有名ですね。

この2人を軸に、行く先々で出会う将校としてコリン・ファース、マーク・ストロング、リチャード・マッデン、ベネディクト・カンバーバッチらが登場するんですが、それはほんの一瞬です。でも、いずれも凄く印象的ですので、見落とす心配はありませんよ。


第一次世界大戦といえばの塹壕戦
その先に広がる"ノーマンズ・ランド"
死を目の前にしても号令に殉ずる兵士
命令を受け引くに引けない上官
休むことなくひたすら走る伝令
戦争の現実を否応なく体験させられました……

世に正しい戦争なんてありません。
愚かさのため、失われた1000万人もの命
生き残ったのは、命懸けの伝令のおかげか
それとも、ただの運だったのか……






さて、最後に、今年のノミネート作品で個人的に作品賞を選ぶなら、僕の鑑賞興奮度では「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」なんですよね。これこそ映画!と思いました( ˘ ˘ )ウンウン
みなさんはいかがでしたか?