ウサミ

1917 命をかけた伝令のウサミのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

目的があるから、人は生きていけます。
彼が走り続けれたのは、走ることに意味があったから。その先に目的があったから。

美しい草花と対比する、不毛の土地。
土に埋まる人々の死体が、戦争の生々しさを思い起こさせます。

まるで駒のように、戦地を走らされる2人の兵士。

「メダルなんてただのブリキだろう」

そう言い捨てる彼が走るのは、国のため?栄光のため?
友の死が、彼を突き動かした。
その先にあるのは何か?戦争の終焉?

「来週にはまた攻撃しろと言われる」

あまりに冷静に攻撃を止める大佐の姿を見た彼の景色より、亡き友の兄の言葉を聞いた時の方が、彼の目に映る景色は美しかった事だろう。

戦争映画を観ているとき、彼らはなぜ死へ向かって走れるのだろうと思います。
銃弾が飛び交い、殺意に満ちた戦場を。
それは、国のため?
彼らが死へ飛び込めるのは、自分のため。
自分の友のため、親のため、愛する人のため。結局、全ては自分の目的の為なのだと感じました。
自分の生きる目的を他人に見出すことを、愛と言うのかもしれません。

ワンカット風の映像がとにかく見事で、没入してしまいました。
ただ、想像以上にテーマを奥深く描いていたので、ワンカットじゃなくしてもう少し丁寧に描いてもいいのかなと思うシーンもありました。

ワンカット風ゆえに、主人公の表情や仕草ひとつひとつがよく見え、感情を乗せることができました。2回ほど涙が溢れた!
これは映画館で観るべき映画かも。
ウサミ

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