zogli

マーティン・エデンのzogliのレビュー・感想・評価

マーティン・エデン(2019年製作の映画)
2.3
ジャックロンドンという名のアメリカ人作家の自伝的小説をナポリを舞台にイタリア人俳優がイタリア語で演じるとは……?ってとこに引っかかりつつ観に行ったのだけど、やはりイタリアに変換した意味が見出せないまま終わってしまった
そして男に大声出されたり殴るぞって言われたりして身が竦んでしまう方は観に行かれる場合お気をつけて

まずはこの映画の舞台になった時代がいつ頃って設定になっていたのか全く掴めず脳が混乱
通貨がリラの時代なのはともかくとして
モノクロテレビが出てきたり、イタリア歌謡曲みたいなやつが挿入歌に使われてたり
劇中2-3度挿入される子供の頃のエデン姉弟が路上で踊るシーン、2人のバックに写ってる車とかがそれまでの青年期マーティンの話に出てきた車の時代と合わない感じだったりして余計にわからなくなった

いや、ジャックロンドン今から100年くらい前に生きた人だしマーティンエデンもその頃の発表作品なのだけど…(時代描写的には時折挿入される帆船が正解だと思うんだけど)
人も場所も時間も全部変えちゃったのかぁ、と

『マーティンという名前はフランス語で(フランス風に)言うとマルタン』みたいなセリフが劇中出てきたけど、いやそもそもイタリア名だったらマーティンじゃなくマルティーノじゃん?っていう

冒頭の食事の席でいきなりパンでパスタソース拭ってて(scarpettaといってお家や庶民の食堂的なお店ではやっても良いけどきちんとしたレストランとかではマナー違反、おそらくあの貴族の食事会でもNG行為)無作法ぶりというか育ちの違いをイタリア的に表現してたのは良かったけど、あのお嬢様との教養ゴッコでボードレールとフランス語が出てきたからって挿入歌がフランス語の歌だったりするのはあまり雰囲気に合ってるようには思えなかった

あと悪態がどうのとか出てきたけど、大した事言ってないしイタリア的にはちっとも下品なうちに入らないというか…往年の名作ニューシネマパラダイスと比べたら汚い言葉1/5くらいしか無かったんですが

フィルム映像の雰囲気はとても良いし、ドビュッシーとかピアノ曲とかの歌以外の音楽のチョイスは好き
zogli

zogli