えるる

異端の鳥のえるるのネタバレレビュー・内容・結末

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

戦時中のドイツで疎開に出されたユダヤ人の少年が転々とする拠点で出会った人達の話。

身内のおばさん、祈祷師のおばさん、子供を亡くしたドメスティックな夫婦、小鳥屋のおじさん、SEX依存症の女、神父と性的虐待ジジイ、ソビエト軍の狙撃手、孤児院。
この時代の戦争映画でドイツを題材としている物はやはり残虐なものが多い。
町人からの虐待は多いが拠点先ではそこまで虐待を受けてないので少しホッとするが、その中でも当時の人の心が荒み残虐な思考や行動をしてしまう事に変わりはない。

オープニングでイタチが燃やされる時点で逃すわけでもない食べるわけでもない、ただ燃やすの時点で凄く嫌な気持ちになる。目を抉られる使用人。鳥に餌を塗り付けて放ち仲間たちに攻撃させる。気が触れてsexに狂う女性の膣に瓶を突っ込み蹴り上げる。教会に来る様な人達が子供を肥溜めに落とす。
あのカラスのシーンはもっと酷いかと思ってたら、おばさん来てくれてホッとした。スターリンの話をしている事からソビエト軍だと思うが軍人さんも良い人だった。

少年からどんどん恐怖や優しさが消えていく所が切ないながらも観ていてこちらも生きて行くためには諦めるしか無いんだと思い知らされる。
最後、お父さん迎えに来て良かった。怒っていた少年がバスの中で父のユダヤ人収容所の番号を見て終わるが、お父さんの方も酷い目に遭った事を今に理解してもらえると良いと思う。
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