アネモネ

娘は戦場で生まれたのアネモネのレビュー・感想・評価

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)
4.2
衝撃的過ぎて言葉が出ませんでした。。

ネットニュースやSNSでシリアの事は少しながら知っていましたが、
こんなにこんなに辛い状況だったとは。
去年観たプライベートウォーが2012年に起こった事と思うとあの時点であれだけの空爆があった中、その後数年もワアドとハムザそしてその仲間たちは苦境の中闘って生活してきたのか。。
病院の仲間たち含めシリアの人達の人柄が、
子供たちの笑顔が、
観ている私の心を締め付けてますます辛くなりました。

死体をちゃんと映し、泣く人々をしっかり見せる。
人の命とはこんなに儚くあっけないものなのですね。。
思い出しただけで涙が出てきます。
これがつい最近の出来事だと言う事を私達は忘れてはならないと強く思いました。


私達と同じく家族を愛し仲間を愛し普通に生きてきたシリアの人々。
アサド政権に不満を持ち、自分達の日常を守る為だけに、当たり前に声を上げただけ。
自分達の権利、意思表示をしない日本人よりも百倍立派で人間らしい。
シリアの反政府の声を上げた人々を心から尊敬します。

他国介入がどんなに最悪か。
なんでもアリのアサド政権はどうしてこのままなのか。
アサドとプーチンの私利私欲。


今も難民は増え続け、命が失われ、その上コロナにまで苦しめられるなんて。
子供さえ守れない地球の人間ってなんなの?
何もできない自分を含め、悔しくて涙が出ます。

安倍しかり、権力とは名声とはなんなのか。
自分と周りの命以外見えない人達ってどういうこと?
手塚治虫の火の鳥のようにいったん地球が滅びて虫から生命が始まっても、虫でさえ村を作り争うのが生き物って事なのでしょうか。


先日難病を抱えたガザ地区の少年と家族のドキュメンタリーを観たばかりで。。
レバノンやパレスチナ含め、

私がビールを飲んで友達といる時間にも、
世界のどこかで
爆撃に怯えて暮らしたり
家族や仲間を呆気なく失ったり
生きる為に必死で海を渡り
国境を超えて
寒さや病に耐え
食べる物にも困っている人達がいる。



私は無力だ。
だけど、同じ人間として今起こっている出来事を知り、向き合っていく事はできる。
偽善と言われようと、私は少しでもこの起こっている惨劇を考えられる人間でありたい。

シリアの人達の温かでユーモラス溢れる素敵な国民性を知り、
だからその昔シルクロードの拠点となり芸術を生み出した素晴らしい文化を持っていたんだと、
改めて納得しました。

私は無力だけど
だけど!
無力なりに出来る事を続けていきたい!!
アネモネ

アネモネ