タスマニア

街の上でのタスマニアのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.5
2021年36本目。

詩的で感傷的な空中戦が繰り広げられて、いつものように雰囲気すら味わえずに置いていかれると覚悟した今泉映画。
意外や意外。この映画は群像劇としての面白さ爆発だった。
下北沢という「街の上で」巻き起こる人間ドラマが funny で interesting などちらの "面白い" も含んでいて、すごく好きでした。

若葉竜也と芹澤興人の会話で「あの頃」のキャスティングだなぁって思ったり、成田凌も萩原みのりも多分今泉映画に出たことある気がする。
保紫萌香(穂志もえか表記が正しいんですね)は「少女邂逅」とは違った役どころ。
古川琴音は喋り方と声がいいよね。「十二人の死にたい子どもたち」で心掴まれた。
でも、一番強烈に印象に残ったのは中田青渚。
全然知らなかった。どんどん若い俳優さんと女優さんが出てくる。
今回の役どころが最高でした。個人的に MVP。

序盤の群像劇の下ごしらえの部分では、下北沢という街のイメージ通りの「雰囲気が面倒くさい街だなぁ笑」という感想と抱きながら
みんな、なんか孤高だったり、尖っていたり、憂いている感じとかで、やっぱりいけ好かない感じした。これはかなりの偏見笑
4人のタイプの違う女性との関わりが生まれて、可愛いけどズルい一番得する女の子、自己愛強くプライド高い難しそうな女の子、田辺さんは・・・なんだろ?
そして、"みんなのアイドル" イハちゃん。
もう、イハちゃんがすごく好き。
コミュニケーションのとり方や距離の詰め方とか、一番自分にはないものを持っていて惹かれた。
片思い中の関取は最後マスターのお店に来た人と一緒なのかな?
同じ劇中に異なる "関取" という役が二人も出てくる必然性はなさそうだしね。敢えて明確にクロスオーバーさせなかったのかな。
クロスオーバーといえば、自分が掬えなかっただけかもしれないけど、古着屋に最初に来た男が告白しようとしていた相手や、警官が好きな姪の舞台女優とかも出てきていたのかな?
そこまで重ねたら群像劇としてやりすぎなのかな笑

とにかく、青とイハちゃんの会話のシーンがむず痒くて良かったのと、
大勢の飲み会でポツンと一人でいるときに、となりに日本酒持って現れて欲しい人生だったなぁって思った。
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