great兄やん

グリーン・ナイトのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)
4.6
【一言で言うと】
「伝聞から“伝説”へ」

[あらすじ]
アーサー王の甥であるものの騎士になれず、人々に誇る英雄譚を持てずにいるサー・ガウェイン。クリスマスに円卓の騎士が集う王の宴が開かれる中、全身を草木に包んだような異様な姿の騎士が現れ、ガウェインに首切りゲームを持ち掛ける。ゲームに挑んだガウェインによって異様な騎士は首を切り落とされるが、騎士は切り落とされた自らの首を拾って「1年後にわたしを捜し出し、ひざまずいて、わたしからの一撃を受けるのだ」と言い姿を消す。その約束を果たそうと、ガウェインは騎士を捜す旅に出る...。

最近大学のテストだったりカタールW杯などのイベント事が重なり少し映画鑑賞をサボり気味な兄やん。
本来カタールW杯はそこまで気にしてなかったのですが、まぁこれが毎試合面白い試合を見せてくれるもので😅…サウジアラビアといい日本といいアジア勢の下剋上も見ていて震えましたし、ポルトガルvsガーナ戦なんかは後半白熱し過ぎてマジでどう転ぶかドキドキしてましたからね(゚o゚;;...(その後ブラジルvsセルビア戦も見てしまい今日の1限の授業(必修科目)を飛んでしまった事はここだけの話笑)

とまぁこんな余談は置いておくとして...

『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観を、A24ならではの“悍ましさ”と“荘厳さ”が化学反応を起こし、まさしく正真正銘の唯一無二を生み出したであろう秀作。
見て呉れはファンタジーでありながらもやってる事はほぼほぼホラーに近い要素が満載ですし、言葉よりも映像でゾクっとさせに来る気迫というのもハンパない。

130分ある中で淡々とした展開が続くため、エンタメ性としてはかなり乏しさを感じてしまうが、その分壮大かつ面妖な世界観に終始圧倒されるばかりですし、もはやあの映像美はスクリーンで“観る”と言うよりも“刮目する”と評した方が良いかもしれない。マジであの世界観はIMAXで上映してたら余裕で追加代金払っても良いレベル。この“狂える美しさ”を小さなスクリーンで終えてしまうのは本当に勿体無いことですよ😫...

そしてストーリーにおける物々しさというのもズッシリ伝わってきますし、異様かつ不思議なストーリーラインの中に“他律と自律”という対比構造が潜んでいるのも非常に興味深い🤔
飲んだくれでその日暮しの主人公が“遊戯”を通じてどう自身を変化させていくのか...ネタバレになるのであまり言えないが、ラストは個人的にもかなりグッとくる締めくくりだったかと思いますね😌...

とにかくグラフィック、ビジュアル、ありとあらゆる“予想”を超越する映像表現に心を奪われると共に、静謐かつ重厚なストーリーにひたすら没頭する一本でした!

満点に近い高評価を叩き出しているため、誰もが満足に楽しめるであろう作品という風に錯覚してしまうかもしれないが、個人的なA24に対するエコ贔屓(笑)によるスコアなので、今作の好みに“合う・合わない”はキッパリ別れるはず。というか絶対に好き嫌いは別れると思う笑笑。

自分としてはA24の映画=自分好みの映画というSNOWもビックリな脳内補正がかかりまくっていますので、鑑賞される際はどうか期待値爆上げにならぬようお気をつけください(^_^;)...