東京国際映画祭学生応援団

i-新聞記者ドキュメント-の東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

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🎬日本映画スプラッシュ🎬
🇯🇵『i-新聞記者ドキュメントー』
≪"あなた"がどう考えるのか≫

(あらすじ)
東京新聞社社会部記者・望月衣塑子への取材を通して、日本政府に対する取材の壁の厚さ、記者の在り方、忖度の正体について迫るドキュメンタリー。監督は『A』や『FAKE』で監督を務めた森達也監督。

(感想)
松坂桃李さんや本田翼さんご出演、今年の6月末に公開され話題となったドラマ版『新聞記者』と同じ河村プロデューサーが本作を務めるドキュメント版『i-新聞記者ドキュメント-』。日本スプラッシュ部門の選出として、11/15の劇場公開に先駆けて鑑賞することができました。
私は冒頭5分で涙が溢れました。何に対する涙なのかわかりません。国を担う人たちが責任感を押し付け合っていることがあまりにも情けないからなのか、それとも権力・圧力に屈せず闘い続ける望月記者の姿に対してなのか…。

ここで描かれていることが「報道」として伝えられていたら、そこまで私たちの心に響かなかったと思います。「作品」として昇華したからこそ私たちの胸に深く刻むことができるのです。

この映画で切り取られている部分もほんの一部でしかなくて、この作品が今の日本政府の全てを表しているとは思いませんが、それでもあまりに憤りを感じます。閉鎖的な社会では、今抱えている問題は何一つ解決しません。
もっと政府と国民がコミュニケーションを取るために、記者がその架け橋のような役割を果たして欲しいと思いました。そして、個人が抱いた疑問を当たり前にぶつけられる"当たり前の社会"になってほしいです。
これからを担う若者こそ観るべき映画です。そしてQ&Aで監督・プロデューサーがおっしゃっていたように「若者も新聞を読むべき」です。

鑑賞者:おがりな

次回上映は
11/4(月) 17:15〜@TOHOシネマズ六本木ヒルズ S1

11/15〜 55館の劇場で公開が決定。
このようなドキュメントでは異例の新宿ピカデリーや丸の内ピカデリーといったシネコンでも上映されます。