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WAVES/ウェイブスのkazuかずのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
4.7
チラシをチラ見して、プレイリストムービー&一生に一度の傑作!という触れ込みに心躍らされ観てきました😉


個人的に当たりでした‼️


主な登場人物は、6名。

裕福な4人家族 ウィリアムズ家
⭐夫 ロナルド
⭐妻 キャサリン
⭐兄 タイラー(高校生)
⭐妹 エミリー(高校生)
タイラーの恋人 ⭐アレクシス
エミリーの恋人 ⭐ルーク

この映画、途中で分かりましたが2部構成なんです。

●前半は兄タイラーの章 
●後半は妹エミリーの章  

レスリングの有望株であり、女神と称する彼女アレクシスもいて順風満帆な生活を送るタイラー。
厳格な父親から受けるプレッシャー、彼女の思いもよらぬ告白、悲鳴をあげる身体、様々な悩みを抱えるなか、ヘビー級に重たい分岐点が訪れます。

若気のいたり、暴走、一途な想い。

相当、ガツンときます。💥

そして、兄タイラーを思う妹エミリーの優しさがなんとも心地よい。

前半で、完全なる脇役と思われたエミリーが、後半の主役になり、重苦しい展開が優しさと再生の展開に変わっていきます。


ひとりぼっちのエミリー。

全てを知った上で、彼女に想いを馳せるルーク。辛く追い詰めらたエミリーを救った彼の優しさは、この映画の1番のハートフルポイント。

エミリーとルークの出会いのシーン。
父親とエミリーの釣りのシーン。
ルークの父親に会いにいくシーン。
エミリーがエレベーターで家族にメールを打つシーン。

後半のいくつものシーンに、心打たれました、

この映画のプレイリストのバンドで、よく聴いていた#radiohead。

彼らの曲が流れる頃には、自然と落涙💧
あの家族再生のシークエンス、やられましたね💧


主演の兄妹を演じたケルビン・ハリソン・ジュニアとテイラー・ラッセル、大注目です。

そしてルークを演じたルーカス・ヘッジスがとても素晴らしい。『#マンチェスターバイザシー』で初めて見た俳優ですが、今年は『#ハニーボーイ』『#mid90s 』などの注目作も待機、楽しみな俳優です。


31曲のプレイリストムービーが前面に出てますが、ストーリーや映像、360度のカメラワークもGOOD。

弱冠31歳のトレイ・エドワード・シュルツ監督は、10年以上、長年溜め込んだプレイリストを元に脚本を執筆したそうです。あのテレンスマリック監督の元、修行したようですね。なんとなく分かるような気がする。

様々な映画にインスパイアされており、この映画を二部構成にしたのは、ウォン・カーウァイ監督『#恋する惑星』にヒントを得たとLPサイズのパンフに書いてました。まだ観てない映画ですが気になります☺️

そういえば、ラース・フォン・トリアー監督の『#メランコリア』も姉妹で章を分けてましたね。


WAVES(波)、人生は山あり谷あり。

どんな人も順風満帆なだけの人生なんて無く、辛くて悲しいことを乗り越えて、楽しくホッとする瞬間や生き甲斐を見つけては、また荒波に飲み込まれる。人生観を変える要素も持ち合わせた作品かと。


『一生に一度の傑作』は言い過ぎですが、それでも間違いなく2020年を代表する一作。

A24スタジオほんまいい仕事しますね。
これからも追い続けたいと思います。

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