koya

mellowのkoyaのレビュー・感想・評価

mellow(2020年製作の映画)
4.0
田中圭演じる花屋の夏目くんがなんだかひたすらモテるのがだんだん面白くなってきた、と言ったら失礼でしょうか。

特に、隔週で玄関に花を飾っている家の主婦(ともさかりえ)が勝手に夏目の事を好きになり、夫に別れたいと言う。
すると夫は夏目と3人で会い、きちんと告白して返事をもらってからと言い出し、3人が話し合うものの、なぜか最後は夏目がすべて悪いことになる顛末は詭弁というか言葉の使い方で、論旨がどんどんずれていく様があきれるくらい。

「好きです」としか言わないともさかりえ、ちょっと怖い。
今泉力哉監督は脚本も書いているけれど「どういうこと?」という台詞が他の映画でもとても多いのです。

普通だったら、そうは言わないよね、とかそうはしないよね、を平然とやる人々が出てきて説明させても「どういうこと?」

『愛がなんだ』ほどくせがある強烈な人々ではなくて、夏目はまともで常識人の好青年。

だから、お店の女のお客さんは夏目の事が好きになるし、夏目はなんとなくラーメン屋の女の子の事が気になるけれど、はっきりと「好き」という気持は持てない。

この映画で「好き」と告白するのは女性ばかりで、夏目くん、モテるねぇ、と思うのですが、告白するのに「もし断られたら」という不安があって言い出せない気持のゆれをここまで丁寧に映画に撮る監督いないと思います。

花屋での花の扱いが活花をやっていた自分からすると水切りしないのがちょっと不思議。(一応、花の扱いの指導は入っているからあれでいいのでしょう)
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