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ファイアー・ウィル・カムのギルドのレビュー・感想・評価

ファイアー・ウィル・カム(2019年製作の映画)
3.2
【過去の罪に向き合う人々と撮影の凄み】【東京国際映画祭】
山火事で服役していた男が村に戻り様々な人たちと向き合うヒューマンドラマ映画。

 見ている最中と見た後の狙いで見え方・感想のギャップが大きい映画もそうそう無いと思える一作かな。個人的には新しい気づきを受けた意義のある映画で見れて良かったです。

 この映画のポイントは終盤に起こる「ある大事件」だと思います。(勘の良い人は分かるかも)
極めて撮るのが難しそうなテーマですが本当に起こった出来事を映しているだけあって迫力がありますし、序盤の自然に溶け込むような巨木のシークエンス含めてスピリチュアルな撮影が凄かったです。
個人的にはそれに対する人々の演技が若干淡白なところが違和感あったけど、映像での見せ場で補ってる感じがしました。

 そして人々の映し方も実際にそこにいるかのような生活感ある感じも素晴らしくて、そこで見える罪に対する考え方というメッセージも秀逸でした。
これは監督自身が人生の本質を追い求める「生活のシークエンス」が好きでもあり、贖罪では無いけどそれに近い行為に対する人々の関心・過去の犯罪を知らない人の考え方・人々の関心や許しの脆さが交錯する意図は良かったかな。

 個人的には意図は伝わるけど映画のカタルシスが薄いので、そこで評価が分かれる映画な気がします。
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