Ayu

ネヴィアのAyuのレビュー・感想・評価

ネヴィア(2019年製作の映画)
3.0
TIFF2日目!本日は怒涛の4本鑑賞、最初の作品はTwitterのフォロワーさんから作品の名前を聞いて気になってた本作、監督と主演女優の記者会見付き。

タイトルが主人公の少女ネヴィアの名前なので観終わったあとにそのシンプルさが印象に残る。イタリア映画はあまり多く観ていないけど、私たちが一般的に知っていると思っていた陽気で豊かな『イタリアらしい』風景は良い意味で映し出されることはないまま物語は終始進んでいく。やんちゃな妹を学校に通わせるのが精一杯で自分はグレーな仕事で働き学校にも通えない。周囲の家はびっくりするくらいボロボロの街で、おばあちゃんと暮らす家は売春宿で、周りの大人たちにまともな教育を受けたらしき人は見当たらない。この重苦しい貧困の負の連鎖からひたむきに抜け出そうともがく少女ネヴィアが偶然サーカスと出会い、自分の意思でしっかり未来へと歩み出す道のりを少しの間だけ一緒に旅する87分。サーカスのおじさんの立ち位置の描き方が若干曖昧だったけど、少し希望が持てるラストだったのが良い、ラストカットも印象的。

今作が演技初挑戦だったネヴィア役のヴィルジニア・アピチェラちゃん、目力強くて劇中のロングヘアも良いし髪の毛短めでもとても素敵だった。また声が少しハスキーなのも魅力。監督はこの役のためにプロの役者などと沢山オーディションをしたけれど彼女がダントツで良かったとのこと。
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