へたれ

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのへたれのレビュー・感想・評価

3.5
良かったとこ1 制約を逆手に取ったストーリー
すでに2回リブートしてること、三作目が鬼門なこと(不評だったりキャンセルされたり)、マーベルとソニーの間の契約問題があるのでMCUの中心人物には持ってきづらいキャラクターであること。こうした「オトナの事情」を全部逆手に取って、過去のリブートをマルチバースと解釈し、三作目にしてスパイダーマンの初心とも言える有名な通過儀礼を行ってシリーズの延命を図り、今後スパイダーマンがアベンジャーズと無関係なストーリーとして展開することもできるように着地させたのは、まるで熟練の職人芸のよう。

良かったとこ2 高低差を使ったアクション
過去二作はスパイダーマンらしい高低差を使ったアクションが活かせず、アクションシーンが面白くなかった。今回は中盤に出てくる鏡の次元や、ラストバトルなど、高低差を活かしたスウィングアクションが終始楽しめて、ようやくスパイダーマンの映画を観ているという醍醐味が得られた。

ダメだったとこ1 前半が間延びしている
まず、ドクター・ストレンジに頼みに行くまでの20分ぐらいがちょっと長い。前作にあったフェイクニュースというテーマを放棄するなら、ここはもっと詰められたはず。次に、ヴィランたちを1箇所に集めるまでのプロットも冗長。2時間半にすべき話ではない。

ダメだったとこ2 友達(特にネッド)が空気
トムホ版のスパイダーマンは、友達との青春アドベンチャーがウリだったのに、今作ではその要素は大きく減退。3人で考えれば乗り越えられるといったようなセリフまでわざわざ言わせたのに、結局そのようなシーンはなく、むしろスパイダーマンの悩みはスパイダーマンにしか分からないかのような扱いになってしまった。

ダメだったとこ3 ポストクレジットが蛇足
今作のエンディングは、文字通り一からの出直しのような表現なので、そこで終わらせておけば良かった。ポストクレジットと言いつつ一つはMCU次回作の予告編だし、無かった方が余韻が残ったと思う。
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