しぇんみん

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのしぇんみんのレビュー・感想・評価

4.0
半熟英雄成長譚:第三章。

"大いなる力には、大いなる責任が伴う"

“親愛なる隣人”スパイダーマンとしてニューヨークを守り続けてきたピーター・パーカー。

だが、前作で倒した「ミステリオ」の罠によって全世界にその正体を明かされ、殺害容疑まで掛けられた彼は、最早“親愛なる隣人”ではいられなくなってしまった。

その悪影響が周囲にまで及び始め困窮したピーターは、自分がスパイダーマンだという事実を世界の人々の記憶から消そうと、ドクター・ストレンジを頼る。

かつての同志の切実な望みを叶えるため、スティーヴンは危険な呪文を唱えるが、ピーターの優柔不断さが最悪の事態をもたらすこととなる。

マルチバースの扉が開かれ、他の世界の強力なヴィランたちを呼び寄せてしまったのだ。

スティーヴンとピーターは、MJ、ネッドらの協力のもと、ヴィランたちを各々の世界に還そうと奔走するが、最大の危機はすぐそこまで迫っていた。

愛する人々を守るため、ピーターが最後に採った“選択”は…。

「マルチバース」の設定により、ファン待望の胸熱展開が目白押し。

かつてのサム・ライミ版、マーク・ウェブ版『スパイダーマン』5作品に登場した歴代ヴィランたちが、同じキャスティングのまま参戦。

「シニスター・シックス」だ。

そして、詳細は語れないが、あの人たちも…。

それぞれのキャラクター性も忠実に再現された上、無理なのない展開になっているのが凄い。

制作会社の垣根をも越えたシリーズの融合は、まさに新時代の幕開けとなる作品だと言って良いと思う。

ただ、色々な意味で「最悪の事態」を招いた元凶が、軽々しく強力な魔術と能力を使った「未熟」で「傲慢」な二人にあるわけで、この点は何だかモヤモヤが晴れない。

そして物語の最後には、自分で自分のツケを払わざるを得なくなる。

まさしく「大いなる力には、大いなる責任が伴う」のだと思う。

まあでも、アクション作品としては及第点、退屈せず一気に最後まで鑑賞できること間違いなし。

是非ともあの高揚感を体験して欲しい。

エンドロールにも、MCUの拡がりを感じさせるエピソードがあるので、見逃さないように。

『スパイダーマン』の続編(新シリーズ)はあるのかな?

期待も込めて、ハナマル!

2022/08/28
2022/10/06 一部修正
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