この子の生きる世界だから。
いや、お化けは死なないんちゃうんかい！ というツッコミはさておき、評判のよい鬼太郎誕生物語、おもしろかったです。
勝手に、もしくは理不尽にも世界の命運を握らされた者のリアクションとしては新海誠『天気の子』の「知ったことか！」にグッジョブ差し上げた自分としては王道のそれには満足しないぞという心構えだったけど、自分が背負わなくては、ではなく「自分に背負わせておくれ」な目玉の親父（五体満足ver.）の冒頭の一言にはいたく沁み入るものがありました。
しかし昔も今も、洋の東西を問わず悪魔や悪霊や妖怪に身を落とした者の物語には人間の業が詰まってますな。沙代ちゃんの負わされた仕打ちも残酷。血しぶき飛び散る惨殺模様と合わせて大人向けの作品でした。
にもかかわらず、あの醜怪な黒幕ジジイに課せられた永遠の苦しみという罰がスーパーボールみたいになってポコポコ転がり続けるだけってのはなぜなんだぜ？ そこだけTVアニメ版のコミカルなお仕置き感が出てて、沙代ちゃん浮かばれねえ！ と臍を噛むのでした。ほぞ。
