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リチャード・ジュエルのmurabonのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
4.3
近年のイーストウッド作品と同様にシンプルイズベストな老練な作りの良作。
観たいものをしっかり見せてくれる作りで派手なシーンがなくても飽きることなく目が離せない。
柔道や合気道など格闘技の世界でも大ベテランの人の動きは若い人に比べてダイナミックさや、スピードは劣るが隙や無駄のない動きに驚かされることがある。映画においても同じようなことが起こるのだろう。
他の監督だったら製作会社とかプロデューサーに色んなシーンを足されてしまうのかもしれない。

無実の男が、報道、大衆によって犯人に仕立て上げられていく恐怖。当時は新聞、テレビニュースが中心であったが、現代ではSNSの普及で誰もが加害者、被害者となるリスクがある。「人は見た目が9割、もはや10割」とよく言われるが本当に恐ろしい話である。私も見た目はぽっちゃりなので顔は諦めるとして改めてダイエットに励もうと決心した。

母親役のキャシー・ベイツはアカデミー賞ノミネートで話題になっているが、主役のポール・ウォルター・ハウザー、弁護士役のサム・ロックウェルの演技も非常に良かった。というか役者はみんな良かった。

アトランタオリンピックでの爆破事件を題材とした作品ありオリンピックイヤーの日本ではタイムリーな公開となった。
爆破事件自体が主題の映画ではないが、観た後に日本のテロ対策ってどうしても不安があるよなーと思った。東京オリンピックが平和な祭典になることを切に願います。
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