mako

羊飼いと風船のmakoのレビュー・感想・評価

羊飼いと風船(2019年製作の映画)
3.9
《神秘の地・チベット 変わりゆく時代の狭間で生きている人たちがいる》

ちょっとあらすじ
神秘の地・チベットの大草原。牧畜をしながら暮らす、祖父・若夫婦・3人の子どもの三世代の家族。昔ながらの素朴で穏やかな生活をしていたが、受け継がれてきた伝統や価値観は近代化によって少しづつ変わり始めていた。そんなある日、子どもたちのいたずらによって、家族の間にさざ波が起き始める…。


チベットが舞台の映画は初めて観ました。と、思ったけど『セブン・イヤーズ・イン・チベット』を観てた。
内容をほとんど忘れてるけど😅

生と死。
信仰心。伝統。輪廻転生。
牧畜民の生活。女性の選択。
これらが描かれていました。

大きな事件が起こることはなく、牧畜民の日常が紡がれていく。
ここにも近代化の波はきていて、お祖父さんの「馬からバイクに変わり、馬がいなくなった」という台詞が印象的でした。
それでも伝統や習慣は根付いていて、それを変えるのは難しそう。
生活のためにある事を決断した妻だったが、それを止めたのは家族。
あんな事を言われたらやめるしかないかも。

ラスト、2つの赤い風船。
一つは割れて、一つは空へ。
それが生と死を表しているように感じました。

広大な草原の風景は素晴らしかった。

あと、大切な物は子どもの手の届かないところに置きましょう!
同じ場所に置かないようにしまょう!
子どもは悪くない。
(観た人は分かります笑)

じんわり染みる映画でした。

監督は、作家としても高い実績をもつ、チベット映画の先駆者ペマ・ツェテン。
初の日本劇場公開作。


観客 1階席 1人+?、2階席 3人
字幕翻訳: 齋藤敦子
字幕監修: 星泉
劇場鑑賞 #50
2021 #57
mako

mako