タスマニア

ジェントルメンのタスマニアのレビュー・感想・評価

ジェントルメン(2019年製作の映画)
4.0
2021年53本目。

複数の紳士たちの異なる思惑がぶつかる群像劇の醍醐味が詰まった映画だった!めちゃくちゃおもろい!
ガイ・リッチー作品初めてなんだけど、「ガイ・リッチーらしさ」が詰まった作品という評価がされているのを見ると、ちょっと過去作も見てみようかなって思った。

全然関係ないけど、タランティーノの「パルプフィクション」は初めて見たとき「なんでこんなに評価高いんだろう」って思ったぐらい乗り切れなかったけど、なんかこの映画を楽しめた今の自分なら楽しめそうって思ったりした。

地味にこの映画冒頭のシーケンスとオープニング映像の時点で結構心掴まれていた。
現在と過去の時系列を交互に行き来する構成はよくあるけど
過去編の物語をテリングするヒュー・グラント演じるフレッチャーのキャラクターが凄く活きていて、ストーリーに乗らせるのに一役も二役も買っていて、「完全に功労者やん!」って思ってた笑
レイとフレッチャーのコミカルで絶妙な掛け合いも、笑いどころでもあり、伏線でもあるところも天晴れ。

マシュー・マコノヒーいいわぁ。マイケルめっちゃ好き。
彼らの言葉を借りると「悪徳」を積んだ "ワル" ではあるんだけど、ビジネスをビジネスとして捉えて、行動に美学が感じられたので、 "紳士" というのも凄くうなづける。
敵として捉えた相手への制裁内容もいかついけど、なんか上品だった。
あ、ジョージ卿への制裁は絵的にはかなり下品だったけど笑
ゲロが出る映画はいい映画多いから、ここは仕方ない。
しかし、ピッチ・パーフェクトばりの勢いでびっくりした。

そして、そんな紳士の手綱を最後まで握っているのがロザリンドっていう構図も「人間味あって素敵やん」
メスライオン強し。
ロザリンド単体のシーンでめちゃくちゃ格好良かったし、あるシーンで彼女の顔に血が飛び散るところの画にはなんだか拘り感じた。エロい。

マイケルもロザリンドもレイもフレッチャーもおもろいキャラクターだったけど、この映画の最強勢力は絶対コーチとトドラーズ笑
一番立場的に中立なのに、最強で有能で見せ場しかない。
むしろ予告映像で「?!」ってなってたシーンは、今思えばトドラーズの YouTube の映像だったんだな。
あのシーンが映画のテイストに対する印象にカオスをもたらしていて、実際に見るまでは「どんな映画やねん!?」って思ってたし。
4ストライクを大目に見て許してあげる寛容さもGood。
コリン・ファレルって「聖なる鹿殺し」と「The Beguiled」しか見たことないから、いつも酷い目にあっているイメージだから新鮮だった。

他のガイ・リッチー作品も見て、改めて見たいなって思える映画だった。
多分、言語化できないけど「好きだなぁ」とか「ワクワクするなぁ」と感じさせる作風や演出の癖とかがありそう。
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