昨年末にネトフリで「鬼滅の刃」を一気見してから本作観賞のため直ぐに映画館に駆け込んだ。登場人物の死闘ぶりに胸が熱くなって、エンドロールで涙して、気が付くとファンになっていた。そんな人は多いはず。
今回は二度目の観賞で、感情が昂りすぎないように、そして初見で見落としていた細部まで隈なく確認できるように挑んだ。だがストーリーの半ばを過ぎる頃にはそんな事すっかり忘れて、またもハラハラしながら動向を見守ることに。
主人公の炭治郎がずっと胸に抱えてきた深い後悔と喪失感。家族のような仲間たちと出会い、鬼殺隊として成長してきた姿を見守ってきた側もその悲劇を改めて突きつけられると胸が潰れそうになる。彼が救われるには、残酷だが前を向くしかないのだろうか。
楽な道は決して選ばず、辛い現実に果敢に立ち向かう。他者に寄り添い、いつも仲間を思い遣る。快晴の空のような炭治郎の真っ直ぐな姿勢に心が自然と浄化される。
本作の見せ場は何といってもタイトルになっている「無限列車」での戦い、その後の煉獄杏寿郎vs猗窩座の生死をかけた戦いだ。
英雄である煉獄さんの格言は鑑賞後もふとした時に思い出しては鼓舞させられ、エンディングの「炎」を耳にする度にその勇姿が目に浮かぶ。全世代の心に残る素晴らしい生き様を見せてくれた。
このような名作なら鬼滅ブームが来るのも納得。公開される続編も楽しみ。