塚原直彦

ラーヤと龍の王国の塚原直彦のレビュー・感想・評価

ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)
4.0
ディズニーにしては珍しく、比較的シンプルで既視感のあるTHE・王道な冒険譚。
だがそこに余りに丁寧で気の利いたディテールが加わることで、やはり他より頭一つも二つも抜けたクオリティに。

誰もが一目瞭然の明らかにジブリの影響を受けた設定&キャラクターに面喰らうが、それも最初だけ。
徐々に広がるはっきりと多様性を意識したその世界観と、美しすぎるビジュアルのあっという間に虜に。
そしてここでも大活躍の売れっ子オークワフィナ。
彼女の特徴的なハスキーボイスを生かし、そのキャラクターはより躍動し物語をグッと牽引。

一体何故争いは起こるのかを分かりやすく描き、そしてその手際は華麗で鮮やか。
やや変化球なファンタジー要素のおかげで、そのメッセージ性がボヤけてしまった感もあるが間違いなく傑作。
劇場にて同時公開された短編『あの頃をもう一度』も大傑作なので合わせてオススメ。
塚原直彦

塚原直彦