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ジャッリカットゥ 牛の怒りのskkのレビュー・感想・評価

3.4
ポスターの圧が気になった作品 逃げ出した水牛を捕まえようとするインドの村の男どもが次第に狂気の群集心理に突っ込んでいく話
いわゆるインド映画で踊りが入らない映画って初めて見たかも
 
ポスターの感じから見ると凶悪な牛と戦う狂人たち、という展開になりそうだが、フォーカスはあくまで村の男どもの方 群衆の中でのいろんな諍いが積み重なっていき、最終的には水牛を放置して人同士の闘いになった挙げ句、とんでもない展開に暴走していきます その結果で造り上げられた人間の山はものすごいインパクトのある風景だった

他方、基本的には展開は(揉めつつ)牛を捕まえようとする→失敗する→揉める、という感じでやや一本調子な印象で、怒号が飛び交う映画にも関わらず少し眠くなった部分は否めません 登場人物も次から次へと出てくるので見分けがあまりつかなかった
あとは最初・最後に聖書の引用があることからどうもキリスト教とか宗教に関係がありそうなのだが、ここらへんはバックグラウンドがないためあまりしっくり来なかった(この点はパンフにまとまっているようなのだが、私は未購入) 主題としては当初の目的を見失って人ではなく動物として暴走する群集心理を描写する話なのかなーと理解しています

カメラワークは凄まじく、どう考えても何人か死んでそうな映像の連続
映画館にいながらして、泥と怒号にまみれた山狩りの現場にいるような錯覚を覚えました
あと、最初の生活風景と食肉処理の風景とのミックスはcoldcut&hexstaticのtimberのMVを思い出しました

なんとも言い難い怪作でした…
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