PaoloSorrentino

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像のPaoloSorrentinoのレビュー・感想・評価

1.6
試写会ありがとございます


この作品の功績は、レーピンの絵画に興味を持たせたことのみ


人生の深みを体現できるおじいちゃん映画が好きだが、邦画やハリウッドよりもヨーロッパの方が大人向けの味のある作品が多い

損得や合理性では計れない選択をできる主人公なら、どんな行動をしても許容できるが、ただ稚拙なだけだと鑑賞に耐えない

今作は、登場人物に本当のプロの仕事ができている人物が存在しないため、突っ込み所が多すぎて、作品に締まりや緊張感が生まれない

ああいうラストにするために、様々な稚拙な行動を散りばめたような構成

人生とはそれくらい上手くいかないものだが、映画的リアリティは別の話


良かったのは、主人公の声と、レーピンの作品を改めて鑑賞する切っ掛けとなり、その絵画の魅力を発見できたこと


特に肖像画はモデルの魂を抜き取り、絵画の中に写し込めたかのよう
是非、実物を鑑賞したい
おそらくこの映画の何倍もの心のざわめきを体験できるだろう
PaoloSorrentino

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