TEPPEI

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/エクステンデッド・カットのTEPPEIのレビュー・感想・評価

4.4
新たに4つのシーンを追加したエクステンデッド版。クエンティン・タランティーノ監督9作目であり、史実とフィクションを併せたハリウッドへのラブレターとも絶賛された「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」。劇場公開版でも十分長尺を感じさせぬ映画ファンの心を擽る、焦燥、狂気、愛情を揃えた見事な完成度だったが今回は4つのシーンを追加し10分拡大。とはいってもオリジナル版は実に3時間超えは堅く、カメオ出演したティム・ロスのシーンや、本作の鍵となるマンソン・ファミリーの多くのシーンは削除されている。タランティーノが悔しくも削除したシーンを追加した完全版を鑑賞、なるべく劇場で観たいものだ。
追加されたシーンは蛇足というよりも、僕含めて本作の虜、またはタランティーノの熱烈大ファンなら大喜びなものばかり。ますますレオナルド・ディカプリオ演じるリック・ダルトンに惚れ惚れする。ブラッド・ピッドのクリフ・ブース、愛犬ブランディにも劇場で再び会えて喜び。特に子役としてジュリア・バターズ演じるトルディに心奪われた映画ファンはこのエクステンデッド版は必見。10歳ながら本当に素晴らしい演技を披露している。
本作への評価はオリジナル版で熱烈に語っているのでほとんど同じレビューなのだが、あえて加えるのであれば、エクステンデッド版はタランティーノの遊び心に付き合うような感じ。
レッドアップル好きな人集合〜!って言って集まりたいと思った人が劇場に駆け込むのがおそらく1番楽しい。

総評として「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」はタランティーノの集大成を思わせる演出と脚本だけでなく、キャラクターたちの魅力と、リスペクト精神に溢れる映画であり、このエクステンデッド版もさらにその世界観を楽しめるので本作のファンは迷わず劇場へ行くことをオススメする。
TEPPEI

TEPPEI