へたれ

カモン カモンのへたれのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.4
良かったとこ1 ホアキン・フェニックスのソフトな演技
「Her」などで見せていた、ホアキン・フェニックスの戸惑いながらも現状を受け入れる演技が、この映画でも光っていた。スーパーでつい怒鳴ってしまうところと、テンプレどおりに謝ろうと頑張る姿が微笑ましい。
風呂に入れる時のきごちなさとは反対に、ベッドでレスリングが始まる時の子供っぽさも良かった。

良かったとこ2 モノクロの淡さと音楽のマッチング
白黒というよりも、グレースケールを生かして淡い絵作りになっているのが印象的。特に序盤のLAの海岸が美しかった。
そこにチルアウトな音楽が乗っかってくるので、現実から遊離した場所のように見えた。


ダメだったとこ1 終始盛り上がりに欠ける
「子供とのふれあいを通じて成長する中年男性」というパターンのストーリーで、あとは子供と伯父さんがどれくらい仲良くなるかぐらいしか展開がないので、2時間未満だけどまだ長く感じた。
いつ終えてもおかしくないエピソードを延々と繋いでいる感じ。

ダメだったとこ2 中途半端なインタビュー
子供たちへのインタビューを仕事にしているという設定を表すにしては長すぎるインタビューシーン。脚本ではなく本当にインタビューをしたように見えたけど、尺に見合った効果はなかった。では、インタビュー自体に中身があったかというとそうでもなく、子供たちの楽観的な未来への希望が続くだけなので、ドキュメンタリー性も乏しかった。
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