なお

カモン カモンのなおのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.8
「劇場公開時に鑑賞逃した系」作品の一つ。
お昼ご飯前に2時間切りくらいでサクッと見られるやつは~…とNetflixのマイリストを漁っていたところ本作を見つけたので鑑賞。

✏️君は未来をどう思う?
なんだかA24らしからぬ(失礼)、心がホッコリとして、時々クスッと笑えて、それでいて何か社会的なメッセージも感じさせる、非常に「心地の良い」作品でしたね~。

何より楽しかったのは、ラジオ局に務めるジャーナリスト・ジョニー(ホアキン・フェニックス)とその甥・ジェシーとの心と心の触れ合いですね。

だいたいこういう「おっさんと少年」の触れ合い系作品って、おっさんの方が頑固一徹タイプだったり子どもなんか大嫌いだ!みたいなタイプが多いような印象なんだけれど、本作のジョニーは全然そんなことなくて、むしろその真逆。

妹のヴィヴから一時的に預かることになった甥っ子を心の底から可愛がるし、時に全ての親が経験する「子育ての壁」みたいなものにぶち当たって悩んだり怒ったり。
徐々にではあるけれど、「伯父さんと甥」の関係がたしかに深まっていく様子をリアリティあふれるタッチで描いた点は、しつこいようだけれど「コレ本当にA24作品なの?」と言いたくなるホッコリ加減。

また本作では、ジョニーとジェシーだけじゃなく「ジョニー(兄)とヴィヴ(妹)」の関係も良い方向へと向かっていく。

「なんで兄妹なのに仲良くないの?」
子どもとは純粋無垢ゆえに遠慮というものを知らないが、本質を見抜く力という観点では時に大人以上のものを見せる瞬間がある。
ジェシーにこんな質問を浴びせられるくらい、ジョニーとヴィヴは「険悪」とはいかないまでも、自分たちの母親の最期を巡るイザコザで「ちょっとビミョ~な間柄」であることは間違いないんですよね。

ジェシーを一時的に預かったことで、ジョニーは「親の苦労」みたいなものを知ったし、逆にヴィヴもまたその悩みや葛藤を共有できたことで、「兄妹」としての絆を取り戻していく。
「子はかすがい」とはよく言ったものだ。

しかし、ジェシーを演じた子役のウディ・ノーマンが本当に可愛かったな~。
クリクリのおめめにモジャッとした天パ頭。
自分がジョニーに成り代わって、頭をクシャクシャしたくなっちゃいましたね。

☑️まとめ
本当にしつこくて申し訳ないが、A24もこんなハートフルな映画が撮れるんだ…!と、A24のことをある意味で見直すキッカケになった貴重な作品。

それにしても、現代を舞台にした作品なのに全編白黒なのにも何か意味や意図があるんかな~。
内容の如何に関わらず、やはりA24が手がける作品に「考察」はつきもののようだ。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★☆☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2024年鑑賞数:13(4)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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