ぐっさん

サイレント・トーキョーのぐっさんのレビュー・感想・評価

サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)
4.6
2020/12/4ユナイテッドシネマ札幌にて鑑賞。

 いやぁ~予想以上に面白かった!
 というか、観終わった後は身が引き締まった思いにさせられたし、平和ボケの日本に一石を投じた何年でも語っていい素晴らしい作品でした。

 原作小説は読んでおりませんが、「アンフェア」シリーズでご存じ秦建日子さんの小説を原作に「SP」シリーズでご存じの波多野貴文監督という素晴らしいタッグで映画化。もう「アンフェア」も「SP」もドラマ・映画全部見るほどドハマりした大好きな作品だったので、アクションもストーリー展開も大好きでしたねぇ。

 渋谷での爆破予告時間まで刻々と迫ってくる時系列での、各キャラの行動で展開が盛り上がり、時間が迫っていきじわじわとくる展開、リアリティが凄すぎる渋谷ハチ公前での大規模な爆破シーン。来るなと言っても「爆破しないんでしょ。」「警察いるし、大丈夫でしょ。」という考えで来た行動が大惨事を起こしてしまったリアリティのあるシーン。そして、謎が説かれる衝撃で身が引き締まるクライマックスへ向かっての後半。もう無駄がなくノンストップで次から次へと進んでいく展開は素晴らしかった。これが本編120分ではなく99分なもんだから、ベストでちょうどいい。ダラダラやらずにキッチリやるストーリー展開。そして、重要部分のセリフは後に回す「もう、じらすぅ~」という仕掛けや、小説の一文章のようなテロップ。一気にまとめるような一文でラストの文はおぉ~と身震いしてしまいました。

 そして、キャストメンバーの演技もすごかったですねぇ。
 ダンディで大人な豪華ベテランメンバーが揃う中、特に中村倫也さんの演技は好きでした。コメディからシリアスまで幅広い作品を見ていますが今回は結構好きでしたし重要なんですよ~(ムロツヨシと共演したあのコメディドラマの警察官役が2番目に好き。)
 佐藤浩市さんや西島秀俊さん石田ゆり子さんなどなどもうかっこいいんだ。ぜひ注目していただきたい。

 そして、あの有名なクリスマスソングの歌詞にはこういう意味もあるということも学ばさせてくれるので、エンドロールもご注目していただきたい。

 ケガは少なくても、心の傷はがっちり残る大規模な事件やテロ。改めて、被害者やその現場にいた人全員が何かしらの傷を負って、これがトラウマとなっていくんだぞ、そしてこの恐ろしさは一生残るんだぞということを改めて学ばさせてくれた作品でした。
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