やまもとしょういち

藁にもすがる獣たちのやまもとしょういちのレビュー・感想・評価

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)
3.4
絵が安っぽく、映画というよりはドラマのような感覚で鑑賞した。会話がなんだか陳腐で、挿入されるニュースの情報、意味深なセリフまわしなど含めて、物語全体が「伏線回収」に奉仕しているような印象だった。その点で期待外れではあったのだけれど、個人的にはそこからこぼれ落ちる、あるいは染み出してしまう韓国社会の空気感に触れられるのが本作の魅力だなと思った。

鑑賞後に知ったのだけれど、2011年に発表された日本の同名小説が原作とのことで、村上春樹の『納屋を焼く』が『バーニング』として現代を舞台に映画化されたのと時期が近いのもあって、日本の物語を現代韓国で映画化する、という構図から何らか考えらるような気がして興味深かった。