劇場で見たぶん評価高いかもですが、なかなか良かったです。エルヴィスは昔からちょっと好き。でもバックボーン的なことを知るまでには至らないで、ただいいなあって思って聴いてただけなので、初めて知るようなこともいっぱいありました。
まずは大佐のこと。オープニングですでに本人が否定してる時点でこれから起こることがわかっちゃって、でも脚本の妙かトムハンクスの存在感か、じわりじわりと追い詰められていくエルヴィスが気の毒で、何故にこの人と出会っちゃったんだろうなあと思うばかりでした。エルヴィスって割と素直ないい人で、才能あって感受性強くて、でもクセはそんなに無い人だったのかも。なのにあんな破滅的な死に方をしなければならなかったのは、やっぱりお前のせいだよ、愛のせいなんかじゃないと、私は思ったけど違うかな。彼の音楽性の高さや人間性は、クリスマス特番の、ケネディ事件の後に歌った曲を聴けばわかる。そういうことにきちんと理解を示せる人が彼のそばにいたら、彼の人生は違っていただろうに…と私は思ってしまいました。
それから、近くにいて彼を支えることが出来たのは奥さんだけだったかもだけど、彼女はいいひとだけど、あと一歩強くなりきれなかった感じで私は残念でした。小さい娘を抱えて彼女も苦しかったのはわかるけど、本当に愛していたならそばにいてあげて欲しかったと私は思ってしまいました。彼女くらいしかいなかったと思うと余計に、あと一歩踏み込んで彼を支えてあげて欲しかったです。
ブルースやゴスペルが彼の下地にあって、そして彼の音楽がたくさんの人を魅了して、その後の音楽シーンに大きな影響を与えたというあたりはもっと語れる人がいっぱいいると思うのであんまり言わずにおきますが、そこもたくさんの人に確認して欲しいところ。とにかく稀有な魅力を持った素晴らしいミュージシャンで歌手だったということはこの映画でもだいぶわかります。主演の彼の演技も相当凄くて見応えあります。なぜ今エルヴィスなのかはわからないけど、もう一度正しく見直されて、彼の音楽を聴く人が増えるといいなと思いました。
