うっちー

世宗大王 星を追う者たちのうっちーのレビュー・感想・評価

世宗大王 星を追う者たち(2019年製作の映画)
3.8
 観たかった、ホントに観たかった作品。ソフト化を待ち侘びてついに鑑賞。やはり……感動してしまった。

 ハングル文字を考案したということでも有名な知的な名君、世宗の治世の物語。正確な時刻を示す時計の仕組みを発明した才気あふれる奴婢、ヨンシルと出会い、その明晰さを見初め、身分や役職を与えて重用するが、王の周りの重臣は、明国との関係に影を差すと考え、ヨンシルを王から遠ざけようとする……という物語。王にハン・ソッキュ、ヨンシルにチェ・ミンシク、他のキャストも熟年〜老年にかかる俳優さんばかりで、地味ながら重厚な味わい。建物や発明の為の器具、小道具なども凝っていて、だが決して派手ではない。

 そんな素晴らしい設えの中でのびのびと演技する名優ふたり。皆さんがおっしゃるように、やはり単なる友情を越えた王様とヨンシルの愛が、確かに見ていて気恥ずかしい感はあるけれど、なんだか温かい。進歩すること、向上すること、そして、大国の支配から逃れ、自分たちだけで生活を豊かにして、国を守り、繁栄させたい、という大志を抱いた王様ゆえに、そのために何が、そして誰が必要かがわかっていた。しかし、それは一部の両班の存在や明の関係を危うくすることでもあり、、、。

 障子越しのプラネタリウムを見つめたり、夜空をふたりで見上げるシーンなんて、恥ずかしいんだけど、気持ちが通じ合うっていいな、とか羨ましくなってしまう。愛、友愛、尊敬、、、いろんなものが混じり合うふたりの間の感情が尊い。素直にそう感じさせてくれる演出で、落ち着いて楽しめました。 

 脇役の方たちも良いのですが、特に領議政のシン・グさんやホ・ジュノさんの存在感に圧倒された。
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