じょにー

バビロンのじょにーのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.9
まず問答無用でこの映画を観てほしいと思ったことを記しておきます。おもしろいかおもしろくないかじゃなくて、すごい映画だった。映画が好きなら観た方がいい。そう思った。
ちなみに現実に則してる部分に関してはあまり情報仕入れてないです。

いま目にしているのは、喜劇か悲劇か(狂)気劇か。
1920年代を舞台に始まる本作、セットもキャストもその演技も画作りへの気合いの入れ方も、マジに時代が違うんじゃないかと錯覚するくらい景気が良すぎる。"それ"、本物なんじゃない?こっちのシーン、何人か死んでない?
根源的な衝動さえ感じる、上質かつ本気の音と映像をぶん投げられ続ける188分がなんて豊かな時間だったか。

自分は「この展開を受けてどう感じたらいいのか」という正解を探ってしまいがちな気質があるんだけど、そんな中でも突き抜けて伝わるものがあった。というかそんな次元じゃなくって、ついにはもう探る必要なんてなくなった。だからいつの間にか自分も涙を流してた。
全然言語化できてる気がしないけど、それでいいと思う。映画館で観てほしい。
標準の上映形態で観ると上下に画がカットされているのがわかりやすかったので、IMAXで観ることを強くオススメします。その上でなるべく大きなスクリーンで。なるべくうるさい映画館で。

しかしなるほど、「ここまでやってくれるのか」は「ここまでやってしまうのか」という感想に言い換えることもできるし、あれをズルだと言ってしまえばしっくり来ない人がいるのもわかる。
個人的にはここ数年くらいの中でもなかなかでっけーもんを食らいました。そしてこの内容で「バビロン」というタイトルをつけるセンスに感傷の追い打ち。ちゃんとデイミアン・チャゼルの映画だったので数日引きずります。
じょにー

じょにー