ひこくろ

どうにかなる日々のひこくろのレビュー・感想・評価

どうにかなる日々(2020年製作の映画)
4.1
恋愛をめぐる四本の短編オムニバスアニメ。
だが、出てくる恋愛はどれも幻想的なものでも、理想的なものでもない。
現実の恋愛には嫌なこともあるし、言えないようなこともある。
セックスだって当たり前のように絡んでくる。
そういう面を真正面から捉えて描いてみせているのが印象的だった。

話としてはたぶん実写のほうが向いている。
ただ、アニメで描いたことで生々しさが上手い具合に薄れている。
性的な描写もしっかりと描きつつ、そこに変なエロさを感じさせない。
その意味ではアニメにした意味が十分にあると感じた。

恋愛やセックスはいびつなもので、当の本人にとって以外は異常に見えることもある。
でも、だからと言って引け目を感じたり、臆病になる必要はどこにもない。
同性を好きになってしまうえっちゃんもあやちゃんも、AVに出演して家を追い出される小夜子も、そこら辺が自由で、かろやかに自分の恋愛やセックスを生きているのが、うらやましく感じた。
こういう恋愛があってもいいよな、って思わせてくれるような作品だった。
ひこくろ

ひこくろ