一

プロミシング・ヤング・ウーマンの一のレビュー・感想・評価

4.4
エメラルド・フェネルの長編映画監督デビュー作

ただひたすらにかわいいキャリー・マリガンを愛でつつ、シーン毎に別人に見えるほど彼女の豹変っぷりに驚かされるも、それすらぶっ飛んでしまうくらい映画自体がとにかくむっっっちゃくちゃに面白い
脚本・演出・構成が良く出来すぎていて、最後は笑いながらも鳥肌が立つほど感動してしまった

『ノマドランド』『ミナリ』と観て、「今年のアカデミー賞…んー?…」となってしまった方でも、本作はガチガチのエンターテイメント映画なのでまあ間違いなく楽しめるかと思います

今年の『パラサイト』枠はこれかな
ジャンルの幕の内弁当と言っても過言ではなく、さらりと社会派要素に触れつつもコメディかと思いきやサスペンスになり、ラブコメかと思いきやスリラーになるこのハラハラドキドキ感がたまらん!

シリアスだったのに急にコミカルになったり、コミカルだったのに急にシリアスになったりと、一筋縄ではいかない二転三転する先の読めない怒濤の展開にあたふたしながらも、皮肉の効いたブラックユーモアのセンスも異常に良くてめっっっっっっちゃくちゃ楽しかった

テイストは違えど、空気感から選曲のセンスやそれを流すタイミングの絶妙さなど、『ブックスマート』と重なる部分がとても多かった

女性が受ける性被害というデリケートでヘビーなテーマを扱っていながら、本当にお見事過ぎるほどに復讐エンターテイメントとして昇華されているから凄い
そんなこんなでポップでユーモラスに描かれてはいても、ただ茶化すだけでは終わらせずに、しっかりと男性側にも考えさせられるような作りになっているのも素晴らしい

これがオリジナル脚本で映画監督デビュー作というのが信じられないほどの仕上がり具合で、文句なしの傑作
エメラルド・フェネル監督は今後も要チェックですな
当然ですが、主演女優賞にノミネートされているキャリー・マリガンあっての作品ということも記しておきます…✍🏻

〈 Rotten Tomatoes 🍅90% 🍿88% 〉
〈 IMDb 7.5 / Metascore 72 / Letterboxd 3.8 〉
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