ねまる

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「プレゼント・ラフター」のねまるのレビュー・感想・評価

4.0
1日でも早く観たくて、
試写会懇願した作品。

演劇とはあまり馴染みがないので、NTL作品は初めてだったけど、
3時間近く同じ場所で繰り広げられるコメディ劇なのに、全く飽きることなく面白い作品。

オリヴィエ賞で作品賞、主演男優賞、助演女優賞にもノミネートされているので10/25が楽しみ。
(追記、主演男優賞、助演女優賞受賞、おめでとうございます!!!!!)

ストーリーはというと、
老いを感じつつある人気役者の家で起こる様々なトラブルの話。
コメディではあるんだけど、人気役者だからこその孤独や葛藤も見え隠れする。

主人公である人気役者を演じた、アンドリュー・スコットの、自己中心的で、自意識過剰で無茶苦茶なのに、放っておくことの出来ないどうしようも無い愛おしさが、
役の人気俳優たる所以を説明せずとも構成していて流石としか言いようがない。

狂った犯罪者を演じても、ホットなプリーストを演じても、何をしても魅力的過ぎるアンドリュー・スコットには適役過ぎる。

キャラの濃い取り巻き達を相手にしている時の受けを笑いへのエネルギーにする力、
元奥さんのリズと2人のシーンで露わになる大好きな気持ちと溢れる色気、
見たくない自分を聞かされて、ふと我を思うときの惹きつける寂しさ、
自分をなんとか肯定するために、必死で感情を捲し立てる時の堺雅人ばりの早口台詞。

役柄でも"神様"と言われてましたが、彼もほんと"神様"です。
いつか生で観てみたいなぁ、芝居を。

カーテンコールで、出てきたキャストを観た時、これだけの人数で、こんなに楽しんでいたんだ、とふと思ってしまうほどの一人一人の力がすごかった。

面白かったです。
ねまる

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