あーさん

映画 えんとつ町のプペルのあーさんのレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
-
まず、、
信者ではないです笑笑

絶対に観ることはないなぁ…と思っていた今作。
必要に迫られ観ることにしたけれど、とにかく不安しかない。。
が、いつまでもスルーしている訳にも行かなくなり、アマプラで無料で観られることもあり、遂に鑑賞。

結果!!

いやー、普通に…良くない?

キンコン西野氏については、吉本興業と袂を分かった押しが強い人、というイメージだけれど、あの風当たりの強さは何なのだろう?本人の性格?売り方?(事情通ではないので、その辺りは謎)

それは、さて置き。

時々、高評価の作品に対してあれ?という反応になったり、皆さん低評価でも自分は好きだったり、、という事は、誰にでもあること。
こちらは、全く予想できなかった。

ディストピアと思いきや、街並みはどこか懐かしい昭和の日本風(又はアジアン?)で、看板が特に印象に残る。
作画もとっつきにくいと思っていたが、意外にも見やすくて映像も綺麗。
テンポもストーリー運びもわかりづらい箇所はなく、ノンストレスだった。

声のキャストは声優ではなく俳優や芸人等、著名な人が多いのだが、きちんとハマっているし、演技も違和感なく上手い。
安定の芦田愛菜ちゃん(ルビッチ)、言われないとわからなかった窪田正孝(プペル)、ブルーノ(立川志の輔)→めちゃくちゃカッコいい♪、藤森慎吾や小池栄子、伊藤沙莉、國村隼もいい味出してた〜
エンドロールを見て、え!こんな人も、、という驚き。

音量大きめの大袈裟な演出もなく、至って自然。
オープニングの♪ハロウィン・パーティー🎃(by Hyde)は、遊園地にでも来たような非日常感たっぷりの賑やかさで、最初からグイグイ引き込まれる。
その後の展開は、ゲームでもしているよう(トロッコだからマリオカートとか、とあるシーンではWii fitをやっているかのような錯覚!〈鉄球!〉)これは、楽しい!
その他の挿入歌も、これから話題になりそうなミュージシャン達による、それぞれの場面に合わせた楽曲が使われている(音楽の欄に、大豆田とわ子、竜と…で好きになった坂東祐太氏、藤井風プロデュースで知ったYaffleこと小島裕規氏の名が♪)。
歌詞での状況説明が多い気もするけれど、特に嫌な感じではない。

少年ルビッチにプペル(夢追い人)と名付けられたゴミ人間が、どうしてできたのか?

ルビッチは、どうして子どもなのに働いているのか?

ガキ大将的存在アントニオは、どうして執拗にルビッチやプペルをいじめるのか?

どうして、いつも煙がもくもく立ち込めていて空が見えないのか?

異端審問官達は、何の為にいるのか?

その沢山の謎が少しずつ解けて、バックにいる黒幕や企みが明らかになる。
友達がいないルビッチにとことん寄り添うプペル、
味方だと思っていた人の裏切り、
敵だと思っていた人の歩み寄り、
父、母、子のそれぞれの思い、
違和感を持つ人々の結集、
その一つ一つにドラマがあり、胸が熱くなる。
今は亡きうちの父が言っていたこととルビッチの父ブルーノのセリフが重なり、涙が止まらない。。

人は死んでも魂は死なないんだ、という熱いメッセージ。

貨幣価値の件は、面白かったな♪

モヤモヤしながら見始めたはずなのに、いつの間にかルビッチとプペルを応援している私がいた。。

最後の一人になっても諦めるな!

まさか、父のことを思い出してこんなに泣いてしまうとは。。

メッセージ性もあり、時に笑えて、時に泣ける、とてもバランスの取れた作品だったと思う。(体制に対する批判、という意味で子どもに観せるのは危険というなら、他にも超危険なアニメはいくらでもありそうな気がする…)
やはり、自由が制限されるのは、いつの世も息苦しい。。

エンディングの"えんとつ町のプペル"は、西野氏の作詞作曲。
観るまでは、歌詞の具体的な意味がわからなかったけれど、観てからスッと腑に落ちた。

原作者のイメージから、ここまで印象が悪くなってしまった作品も珍しい。
もっと、観られても良いのでは?!

疑心暗鬼だったけれど、観た後はスッキリ✨
大傑作!という程ではないけれど、思ったよりもかなり楽しめる作品だった。

きっと、まだまだ食わず嫌いの作品ありそうだなぁ。。
あーさん

あーさん