みかん

耳をすませばのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

耳をすませば(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ジブリの「耳をすませば」はかなり昔に見たきりだったので、うろ覚え状態で観賞しました。
なので比較はあまり出来ません。
一緒に見に行ったジブリ版が大好きなお友達は、本作はジブリ版を再現したシーンが結構あってそれは凄く良かったとのこと。

個人的には本作を実写化して、さらに10年後を描くことの良さがいまいちわかりませんでした。。。
10年経ち大人になって結婚やら仕事のことで悩む姿が描かれていて、あの甘酸っぱい10代の青春がジブリ版では良かったから、雫と聖司くんの関係にちょっと生々しさがでてしまってました。。。
なのに、大人同士の恋愛のリアルさはなくて、ジブリ版の頃の青春っぽさをかなり強調していたので、大人でも子供でもない、どっちの目線でも入り込めない感じになってました。

さらに、個人的にかなり気になったのが雫の描き方。
雫はずっとくよくよしていて、上手くいかないんですよねとか、物語書くのやめるって言ったりして周りに悩んでることを打ち明けるけど、勝手に聖司くんを美化して自分なんて・・・って自己完結している。
悩みを解決するのも誰かに頼りっぱなしだし、物語を再び書く決意をするのも単に聖司くんの言葉に感化されたからとかじゃなくて、創作意欲を掻き立てられるような出来事を経験するシーンを描くとかのほうが、雫の作家としての才能を垣間見る演出になったんじゃないかな、とか思いました。
もちろん聖司くんに影響を受けるのは本作もジブリ版も同じですが、ジブリ版はバロンとの印象的なシーンとかも丁寧に描かれていたので、そう思わずにはいられませんでした。
とくに、作家さんに土下座するシーンとか、相手に誠意を見せるなら相手が嫌な気持ちになるようなこんな謝り方したらダメだし、結局作家さんに励まされているし、自分の事しか考えてないキャラクターみたいに見えてしまった。。。
この全く自立できてない女性像に結構もやもやした。

本当に付き合ってるのかって思わせるコミュニケーションをとる二人も。
あんな何も言葉もなく、簡単に別れたことになっててびっくりした。
10年の繋がりがあるはずなのに。
ちゃんと話聞こうよってなった。。。

くよくよ悩むシーンより、もっと聖司くんが雫の才能や頑張りに魅力を感じるようなシーンが見たかったな。
10年後の雫の魅力がいまいち伝わってこなかったので。
作家としての才能もあるのかないのか。
夢を諦めないって決断したのは良かったですが。

色々言いましたが、ラストのプロポーズシーンは雫の笑顔がやっと見れて可愛かったし、聖司くんもかっこよく甘酸っぱい感じが保たれていて良かったなって思いました!
結婚しよう!ってシーンがきちんと回収されていて、このエンディングを見て「耳をすませば」だなぁって感じれました!

ちなみに、聖司くんの手紙で、雫を観察してたみたいな一文があって思わず笑ってしまった。
聖司くんもっと気の効いた言葉選ばないと、ちょっとヤバさが滲み出てたよ!ってなった。
ジブリ版のときから言われてますが、雫が借りそうな本を先回りして読んでたってのも、聖司くんだから許されてるけどなかなか際どい距離の詰め方だよね笑。
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